青森県 遊技業 創業35年
長年、地域に根ざして営業してきたパチンコ店ですが、近年の業界の変化により経営が年々厳しくなっています。かつては週末になると朝から並ぶお客様が多く、活気に満ちた店内でしたが、今ではそうした光景も少なくなりました。遊技人口の減少は全国的な傾向であり、特に若い世代の間ではパチンコへの関心が薄れています。さらに、中古台の価格高騰、広告規制の強化、電気代の上昇などが資金繰りを圧迫し、経営の厳しさが増しています。
新台の導入は集客のために欠かせませんが、現在は新台だけでなく中古台の価格まで高騰しており、簡単に手を出せる状況ではありません。一台導入するだけでも相当な資金が必要であり、複数台入れ替えるとなるとさらに大きな負担となります。かといって、新台を導入しなければ客足は遠のき、売上が減少してしまうため、ジレンマに陥っています。
さらに、広告規制の強化も大きな影響を与えています。以前は雑誌やチラシ、インターネットを活用した宣伝が可能でしたが、現在は法律の改正により、宣伝の手段が大きく制限されています。その結果、新規の顧客を獲得することが難しくなり、既存の顧客だけで経営を成り立たせなければならない状況に追い込まれています。
銀行からの借り入れも、パチンコ業界というだけで厳しい審査を受けることが多く、希望額の融資を受けるのは容易ではありません。新型コロナウイルスの影響で業績が落ち込んだ際にも、他の業種に比べて融資が通りにくかったことが記憶に新しいです。そのため、資金調達の選択肢が限られ、苦しい状況に直面することが多くなっています。
そして、何よりも大きな負担となっているのが電気代です。パチンコ店は大量の電力を消費する業種であり、店内の照明や空調、遊技機の電源など、どれも欠かせない設備です。しかし、電気代が年々上がり続けており、これまでの経営計画では対応しきれなくなっています。省エネ対策を講じようとしても、根本的な解決には至らず、固定費の増加が経営を圧迫しています。
こうした厳しい状況の中で、資金調達の手段として『中小企業ビジネスサポーターズ』さんで初めてファクタリングを利用しました。売掛金の買取による資金確保は、銀行融資と異なり審査が通りやすく、スピーディーに資金を手に入れられるます。
実際に利用してみると、確かに資金調達までのスピードは速く、急な支払いにも対応することができました。しかし、当然ながら手数料が発生するため、長期的に見れば負担になる可能性もあります。そのため、一時的な資金繰りの問題を解決する手段としては有効ですが、根本的な経営改善にはつながらないという点を痛感しました。
今後は、従来の営業スタイルに固執せず、新しい形での店舗運営を模索する必要があると感じています。例えば、低貸玉専門のエリアを拡充する、来店ポイント制度を導入する、イベントとは違う形で地域の人々との交流を図るなど、試行錯誤しながら持続可能な経営を目指していかなければなりません。
ファクタリングはあくまで資金繰りの一手段ですが、利用することで一時的に経営の安定を図ることはできました。今後は、この資金を有効に活用し、厳しい業界の中で生き残るための戦略をしっかりと考えていく必要があると強く感じています。
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