資材不足が続く水道工事業界で、初めてのファクタリング利用

群馬県 水道施設工事 創業38年

私は地方で水道工事業を営んでいます。新築住宅の給排水設備工事や、水回りのリフォームなどを請け負い、地域の人々の暮らしを支えてきました。仕事自体は安定しており、問い合わせも少なくありません。しかし、ここ最近の状況は厳しく、思うように受注ができない状態が続いています。

最大の要因は資材不足です。世界的な供給の乱れや価格の高騰が影響し、これまで当たり前に仕入れていた配管材や設備機器が手に入りにくくなっています。手に入ったとしても価格は以前の倍近くに跳ね上がり、工事費の見積もりにも影響を及ぼしています。さらに、運送費や人件費の高騰も重なり、経営はますます圧迫されていました。

資材さえ安定して供給されれば受注は増える見込みですが、現状では大量に仕入れる余裕もなく、銀行への融資相談も時間がかかりすぎるため、すぐに資金を確保することが難しい状況でした。そんな中、知人からファクタリングという資金調達の方法があることを聞きました。

初めて耳にした時は、ヤミ金のようなものではないかと警戒しました。しかし調べていくうちに、売掛金を早期に現金化する手段であり、負債にはならないことがわかりました。さらに、審査も銀行融資ほど厳しくなく、手続きも比較的早く進むという点に魅力を感じ、利用を決断しました。

契約を結び、売掛金を現金化することで、必要な資材を仕入れることができました。長らく滞っていた案件を再開でき、お客様にも予定の調整を依頼することができました。現場が動き出したことで、従業員の士気も上がり、少しずつ本来のリズムを取り戻すことができたと感じています。

もちろん、ファクタリングは万能な解決策ではありません。手数料がかかるため、頻繁に利用すれば利益を圧迫する可能性もあります。しかし、資金繰りを維持しながら経営を立て直す手段としては非常に有効であることを実感しました。

これから先、資材の供給が回復し、価格が落ち着けば、再び安定した受注が見込めるはずです。その時に向けて、資金の流れをより慎重に管理し、より良い経営の形を模索していくつもりです。今回の経験を活かし、資金繰りの選択肢を広げながら、事業を継続していきたいと考えています。

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