初めてのファクタリングも順調に審査を終え、買取可能に。

福井県 食品加工 創業22年

弁当の製造・販売を始めてから20年以上が経ちました。地域のスーパーを中心に、おにぎり弁当や惣菜弁当を卸しており、長年にわたって多くの方にご愛顧いただいてきました。しかし、近年は厳しい状況が続いています。

特に、米の価格高騰は私たちにとって大きな痛手でした。おにぎりをメインにしている以上、主原料の米が高くなると、そのまま経営に直結します。価格転嫁が難しい中、何とか利益を確保するために、少しずつ弁当の量を調整したり、具材の種類を見直したりと工夫をしてきました。それでも限界があり、最近では仕入れのたびに頭を抱えるようになりました。

さらに、配送コストの増加も大きな負担です。弁当は鮮度が命のため、毎日各店舗に納品しなければなりません。コロナ禍以降、原油価格の高騰によってガソリン代が上がり、配送にかかる経費が膨らんでいます。以前なら十分に利益が出ていた取引先への納品も、今では全く利益が残らない状態になりつつあります。

業績が回復しないまま数年が経ち、資金繰りも厳しくなってきました。銀行への融資相談も試みましたが、返済計画の不透明さを理由に審査を通すことができませんでした。これ以上、仕入れを抑えるわけにもいかず、従業員の給料を遅らせるようなことは避けたい。しかし、手元の資金は限られており、時間だけが過ぎていきました。

そんなときに知ったのが、ファクタリングという資金調達方法でした。売掛金を早めに現金化できる仕組みだと聞き、すぐに詳しく調べ『中小企業ビジネスサポーターズ』にお願いしました。私たちのような小さな食品メーカーでも利用できるのか、審査が厳しいのではないかと不安でしたが、銀行融資とは異なり、売掛先の信用力が重視されるため、比較的スムーズに契約を進めることができました。

実際にファクタリングを利用してみると、すぐに資金が手に入り、仕入れや配送費の支払いに充てることができました。これまでは売掛金の入金を待たなければならず、資金繰りに苦しんでいましたが、必要なタイミングで現金を確保できるのは大きなメリットだと感じました。

しかし、ファクタリングはあくまで一時的な資金調達の手段です。手数料もかかるため、長期的に利用し続けると経営に負担がかかることは明らかでした。今後、どのように経営を立て直していくかを考えなければなりません。

現状を打開するために、まずは商品ラインナップの見直しを進めることにしました。おにぎり弁当だけでなく、もう少し原価の安い食材を活用した新しいメニューを開発することができないか、試作を重ねています。また、原材料の仕入れ先を再検討し、コストを少しでも抑えられるルートを探し始めました。

一方で、販売ルートの拡大にも取り組んでいます。これまではスーパーやコンビニへの卸売が中心でしたが、直接消費者に販売できるECサイトの開設や、地域のイベントでの販売など、新しい販路を模索しています。特に、健康志向の高まりを受けて、無添加や減塩のおにぎり弁当を開発し、ターゲットを広げることも視野に入れています。

また、今は物価が高騰し、経営が厳しい状況ですが、いずれ価格が落ち着く時が来ると信じています。そのときに、再び利益を確保できるようにするためには、今のうちに経営の基盤を整えておかなければなりません。短期的にはファクタリングを活用して資金を確保しつつ、中長期的な戦略を考えながら経営を進めることが、私たちにとって重要な課題となっています。

初めてのファクタリング利用は、不安もありましたが、結果的には今後の事業を立て直すための大きな一歩になりました。売掛金の前倒しという形で資金を確保できたことで、経営の選択肢が広がり、新しい取り組みをスタートするきっかけになりました。まだまだ課題は山積みですが、これからの経営を前向きに進めていくために、できることから一つずつ取り組んでいきたいと思います。

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