大阪府 サービス業 創業18年
デザイン会社を経営して20年近くになるが、ここ数年で業界の変化を肌で感じることが多くなりました。かつてはイベントポスターやチラシのデザインが中心で、選挙ポスターの制作依頼が入る時期は忙しく大変だった。しかし、近年は紙媒体の需要が減少しました。クライアントの多くがネット広告へとシフトしているためです。
イベントポスターや名刺も同様で、デザインを外部に依頼するよりも、自分で簡単に作れるツールが普及したことが影響しています。こうした変化の中で、私たちの会社は徐々に追い詰められていました。
売上は下降傾向にあり厳しさも増しているものの、まだ安定した取引先があるため、すぐに商売をたたまなければならないといった分けではない。しかし、新しい仕事を獲得するための営業活動や、スタッフの給与の支払い、設備の維持費など、運転資金のやりくりは常に頭を悩ませる問題だった。そこで、数年前から定期的にファクタリングを利用し、資金繰りを安定させるようにしています。
ファクタリングを利用するきっかけになったのは、ある長年の取引先からの大口案件だった。納品後すぐに支払いがあるわけではなく、数か月後の入金となるため、その間の資金繰りをどうするかが課題となった。当時、銀行融資も検討したが、審査に時間がかかる上に、今後の業界の見通しを考えると借入れを増やすことに抵抗があった。そんなときに知人から『中小企業ビジネスサポーターズ』さんの話を聞き、試しに利用してみたのが始まりです。
利用してみると、売掛金をすぐに資金化できるため、キャッシュフローの改善に大きく貢献した。特に私たちのような小規模なデザイン会社にとっては、支払いサイトの長い取引先が多いこともあり、こうした資金調達方法は有効でした。それ以来、まとまった案件が入ったときや、一時的に資金繰りが厳しくなった際には、ファクタリングを利用するようにしています。
とはいえ、現状維持ではいつか限界が来ることは分かっていた。そこで、数年前から新しい仕事の開拓にも力を入れています。その一つが、WEBデザインの分野への進出だ。紙媒体の需要が減る一方で、企業のホームページやECサイトの需要は増えており、WEB制作会社からのデザイン外注の依頼が増えていることに気がつきました。そこで、いくつかのWEB制作会社と提携し、サイトのデザイン業務を請け負うようになりました。
最初は不慣れな分野だったが、紙媒体のデザインとは異なる楽しさや奥深さを感じることもあり、スタッフも前向きに取り組んでいる。まだ本格的に軌道に乗ったとは言えないが、少しずつ案件が増えており、将来的には会社の新しい柱の一つになりそうです。
ファクタリングは、資金繰りの悩みを解決する手段の一つとして役立っているが、それだけに頼るのではなく、新しい事業を育てていくことが本当の意味での解決策だと思っている。これからも試行錯誤しながら、時代の変化に対応し、会社を成長させていきたいと考えている。
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