山口県 不動産業 創業44年
創業から40年以上、不動産業を営んできました。地元に根付いた経営を続け、お客様の信頼を大切にしながら業務に励んできましたが、ここ数年の地方市場の変化には頭を悩ませています。特に、人口減少による土地や空き家の増加が深刻で、売買の流動性が落ちていることが大きな課題です。これまでなら一定期間内に買い手が見つかる物件も、今では売却の見通しが立たず、管理物件ばかりが増えていく状況にあります。
加えて、業務のIT化が進んでいないことも問題の一つです。不動産業界は昔ながらの紙ベースの管理が多く、手作業での業務が中心です。近年ではデジタルツールを活用し、オンライン契約や管理を効率的に進める企業も増えてきましたが、当社ではシステム導入のタイミングを逸してしまい、業務の効率化が進んでいません。その結果、人手不足の中で一つひとつの業務に時間がかかり、コストが膨らむ一方でした。
売上が急激に落ち込んでいるわけではありませんが、維持費や管理費が増加する一方で、売却までの期間が長期化しているため、資金繰りが徐々に厳しくなっていました。これまで銀行融資を利用して事業を運営してきましたが、最近は審査基準が厳しくなり、希望する金額を借りることが難しくなっていました。そこで、何か別の資金調達方法がないかと模索していたところ、ファクタリングの存在を知りました。
ファクタリングとは、売掛金を期日前に現金化する方法です。銀行融資とは異なり、審査が比較的スムーズで、担保も不要な点が魅力でした。これなら現状の資金繰りを改善しながら、次の経営戦略を練る時間を確保できると考え、初めての利用を決意しました。
取引先から紹介してもらった『中小企業ビジネスサポーターズ』さんと相談し、適切な条件で契約を結ぶことができました。売掛金の早期資金化により、滞っていた管理物件の修繕費や維持費を支払うことができ、従業員の給与支払いにも影響を与えずに済みました。資金に余裕ができたことで、次のステップとして、業務の効率化を目指すことにしました。
今後は、管理物件のデータベース化と一括管理システムの導入を進める予定です。これにより、物件ごとの収支をリアルタイムで把握し、無駄なコストの削減につなげたいと考えています。また、オンラインでの物件案内や契約手続きをスムーズにすることで、より迅速な対応が可能となり、顧客満足度の向上にも寄与するでしょう。
ファクタリングの利用は、単なる資金調達手段ではなく、今後の事業運営を見直すきっかけにもなりました。このまま従来のやり方を続けていれば、競争に勝つことが難しく、いずれは事業継続自体が困難になる可能性もあります。しかし、今回の資金調達を通じて、業務の効率化に投資できる環境が整い、将来的な経営の安定につながる道筋が見えてきました。
地方の不動産市場は厳しさを増していますが、変化に対応しながら事業を続けていくことが何よりも大切です。ファクタリングを活用することで、一時的な資金繰りの課題を乗り越え、長期的な視点で経営を改善していくことができると実感しました。今後は、IT化による業務の効率化を推進し、より強固な経営基盤を築いていきたいと思っています。
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