事業拡大と資金繰りの両立に四苦八苦しながら、前向きに経営。

新潟県 宅配サービス 創業12年

私は、昼食弁当の宅配事業を営んでおります。創業から12年が経ち、地域の皆様に支えられながら、ここまで事業を続けてまいりました。主にご高齢の方々や働く人々向けに栄養バランスの取れた弁当を届けることを使命とし、日々スタッフとともに努力を重ねております。

近年、高齢化が進む中で、私たちのサービスに対する需要はますます高まっています。ただ食事を届けるだけでなく、安否確認の役割も果たしているため、ご家族や自治体の方々からも感謝のお言葉をいただくことが増えました。こうした背景もあり、新規のお客様が増え、業績自体は上向いております。しかし、それと同時に経営面では新たな課題が生じております。

まず、大きな問題となっているのが、物価の高騰です。食材費の上昇はもちろんのこと、容器や包装資材の価格も軒並み上がっており、これまでの価格設定では十分な利益を確保するのが難しくなっております。もちろん、値上げという選択肢もございますが、長年ご利用いただいているお客様の多くは年金生活を送られている方々であり、急な価格改定は慎重に進めなければなりません。

加えて、人手不足の影響も深刻です。弁当宅配の事業は、調理から配達まで多くのスタッフの力によって支えられていますが、最近では求人広告を出してもなかなか応募が集まりません。特に、配達スタッフの確保が難しく、既存の従業員に負担がかかる状況が続いています。そのため、賃金を引き上げて求人を強化する必要があるのですが、これもまた経営にとって大きな負担となっています。

こうした状況の中で、一時的な資金繰りの問題が発生いたしました。売上は順調に伸びているものの、仕入れ費用や人件費の増加により、手元のキャッシュフローが厳しくなりつつありました。これまでは銀行融資を活用しながら資金管理をしておりましたが、審査や手続きには時間がかかるため、より迅速に資金を確保できる方法を探していました。

そこで、私はファクタリングを利用することを決断いたし、知り合いの紹介で『中小企業ビジネスサポーターズ』さんを知りました。
すでに納品済みの売掛金を資金化することで、運転資金の確保を図りました。ファクタリングの利点は、借入れとは異なり、担保や保証人を必要とせずに早期の資金調達が可能な点です。おかげで、調理用の新しい食材を仕入れることができ、従業員の給与支払いや新規スタッフの採用活動にも充てることができました。

今回の資金調達により、事業の成長を止めることなく、サービスの質を維持することができました。見守り需要の増加に伴い、自治体との連携も進んでおり、今後は地域の福祉サービスと協力しながら、より多くの方々に安心と温かい食事を届けられるよう努めていきます。

今回の経験を通じて、事業の成長と資金繰りのバランスを取ることの重要性を改めて実感いたしました。売上が伸びているからといって、常に余裕があるとは限らず、支払いと回収のタイミングのズレが経営を圧迫することもございます。今後も、状況に応じて適切な資金調達を行いながら、より安定した経営を目指します。

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