奈良県 創業55年 道路旅客運送業
創業55年のタクシーと貸し切りバスの運営を行う会社を経営しております。長年にわたり、地域の交通を支え、安全で快適な移動手段を提供することを使命としてまいりました。観光客の送迎から地元住民の移動手段としてのご利用、企業や学校の団体輸送まで、幅広いお客様に支えられながら事業を継続してまいりました。最近では、観光インバウンドの影響もあってタクシー、観光バス共に需要が増えるなど、プラス面も享受しています。
しかしながら、近年の社会情勢の変化により、経営の安定化を図るための資金繰りの重要性がますます高まっていることを痛感しております。
タクシー業界は、燃料費の高騰や人件費の上昇により、経営に大きな影響を受けております。貸し切りバス事業につきましても、観光需要は回復傾向にあるものの、繁忙期と閑散期の差が大きく、キャッシュフローの管理がこれまで以上に難しくなってまいりました。特に、大型車両の維持費や定期的な整備費、さらには新規車両の導入にかかる費用は決して軽視できるものではございません。そうした状況を踏まえ、私は資金繰りの手段としてファクタリングとリースバックを組み合わせることを決断いたしました。
まず、貸し切りバス事業で発生する売掛金を活用し、ファクタリングを利用いたしました。団体旅行やイベント輸送などの貸し切りバス業務では、売掛金の回収までに一定の期間を要することが一般的です。特に、大手企業や自治体との取引では、支払いサイトが長めに設定されることが多く、資金の流動性を確保するためには適切な対策が必要でございました。ファクタリングを活用することで、売掛金を早期に資金化し、運転資金を確保することができました。その結果、車両の整備費や燃料費の支払いにも余裕を持たせることができ、安定した事業運営を続けることができております。
さらに、リースバックを組み合わせることで、より長期的な資金繰り対策を講じることにいたしました。具体的には、保有していたバスの一部をリースバック契約に切り替え、車両を売却することでまとまった資金を確保いたしました。そのうえで、売却した車両を引き続きリース契約のもとで運行し、通常どおり業務を継続できる仕組みを整えました。この方法により、一度に大きな資金を手にすることができるだけでなく、月々の支払いに分散させることでキャッシュフローの平準化を図ることが可能となりました。
ファクタリングとリースバックを組み合わせることで、短期的な資金需要と長期的な財務計画の両面から経営の安定化を目指すことができました。今後も、燃料価格の変動や市場環境の変化に対応しながら、サービスの質を落とすことなく持続可能な経営を続けていくことが重要であると考えております。地域に根ざした交通事業者として、これからも安全・安心な移動手段を提供し続けるために、資金繰りの柔軟な対策を講じながら事業の発展に努めてまいります。
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