2社間ファクタリングで売掛先にバレる可能性 - 中小企業ビジネスサポーターズ

2社間ファクタリングは、資金調達を行う企業（債権者）とファクタリング会社の間で取引が完結する仕組みです。売掛先（取引先）に知られることなく、売掛金を早期に現金化できる点が特徴であり、多くの中小企業や個人事業主が利用しています。

売掛金の回収サイトが長い場合や急な資金需要が発生した際に、迅速に資金を確保できるメリットがあります。しかし、「売掛先にバレずに利用できる」と言われる2社間ファクタリングでも、売掛先に知られるリスクがゼロではありません。

2社間ファクタリングは売掛先に通知せずに行われる取引ですが、いくつかの要因によって売掛先に発覚する可能性があります。

（1）入金先口座の変更

2社間ファクタリングでは、売掛金の支払いが通常の口座ではなく、ファクタリング会社が指定する口座へ変更されることが多いです。売掛先が請求書の支払い時に「振込先の変更」を不審に思い、問い合わせを行った場合、ファクタリングの利用が発覚する可能性があります。

（2）ファクタリング会社からの誤った連絡

ファクタリング会社が、誤って売掛先に連絡をしてしまうケースもあります。特に、新規契約時に確認ミスが発生すると、売掛先へ債権譲渡に関する通知が送られることがあります。このようなミスは稀ですが、ゼロではありません。

（3）売掛先の信用調査や与信管理

売掛先が定期的に取引先の信用情報をチェックしている場合、ファクタリングの利用履歴が間接的に明るみに出ることがあります。例えば、信用調査機関のデータを活用する企業では、売掛債権の動きを確認することが可能です。

（4）支払い遅延や督促対応

ファクタリング会社に売掛金が支払われなかった場合、ファクタリング会社が売掛先に直接連絡を取るケースがあります。これにより、売掛先がファクタリングの存在に気づくことがあります。

2社間ファクタリングを利用する際に、売掛先に知られるリスクを最小限に抑えるためには、以下のような対策が有効です。

（1）入金口座の変更を慎重に行う

ファクタリング会社の中には、売掛先に怪しまれにくい形で振込先口座を変更する方法を提供するところもあります。例えば、自社名義のままの口座を用意するなど、違和感のない形での入金先変更が可能なサービスを選ぶことが重要です。

（2）信頼できるファクタリング会社を選ぶ

ファクタリング会社の対応が不適切だと、売掛先に誤った通知が送られるリスクが高まります。実績が豊富で信頼できるファクタリング会社を選ぶことで、こうしたリスクを低減できます。

（3）売掛先との関係性を良好に保つ

売掛先が普段から資金繰りを気にかけている場合、取引先の信用状態に敏感です。日頃から良好な関係を築いておくことで、万が一売掛先に知られた場合でも、信頼関係の維持につながります。

（4）ファクタリングの利用頻度を適切にコントロール

頻繁にファクタリングを利用すると、売掛先の信用調査や与信管理で異変を察知される可能性が高まります。緊急時の資金繰りに活用する一方で、長期的にはキャッシュフローを改善する取り組みを行うことが望ましいです。

2社間ファクタリングは売掛先に通知されない仕組みではありますが、いくつかの要因によって売掛先にバレる可能性があります。特に、入金口座の変更やファクタリング会社の対応ミス、信用調査の影響などが考えられます。

しかし、適切な対策を講じることで、このリスクを最小限に抑えることができます。信頼できるファクタリング会社を選び、売掛先との関係性を良好に保ちながら慎重に利用することで、スムーズな資金調達が可能になります。

ファクタリングは資金繰りの有効な手段の一つですが、その活用には十分なリスク管理が求められます。