求人サイトや求人誌への出稿で、コストがかさみ始めてファクタリングを使い続けています

三重県 創業37年 自動車整備業

請求書がまとまるたびに、ファクタリング会社に連絡を入れています。今月も、車検と修理の分で、何件か書類を用意しました。最初の頃は少しだけ抵抗がありましたが、今はもう迷いません。売上の入金が一か月、二か月先になるのを黙って待つほど、こちらの懐には余裕がないのです。

車の修理は昔と比べると単純になっています。

抜かしと違い、今は壊れた部分の修理するのではなく、まるごとパーツ交換が基本です。慣れてしまえば作業自体はそれほど難しくありません。ただ、原因の切り分けに時間がかかります。エラーが出ている箇所と、本当の故障箇所が別のことも多く、点検のポイントは年々増えてきました。
昼間は来客対応と現場作業で手一杯ですし、夜になってようやく書類に目を通す時間ができます。帳簿、見積り、部品発注、次の車検のスケジュール調整。疲れが取れる暇もありませんが、それでも現場は回し続けなければなりません。

問題は人手です。求人広告を毎月のように出していますが、電話一本かかってきません。整備士という仕事そのものに魅力を感じる若者が減っているように思います。残っているのは、もう何十年も働いてきた職人ばかりで、腰や膝を痛めながら何とかやっている状態です。
人を増やさないと自分が潰れる、そう思って求人誌とネット広告に費用をかけました。けれど、出した分だけお金が出ていくだけで、採用にはつながりません。広告費も人件費も毎月の経費を押し上げる要因になっています。

そうなると、次の資金繰りが苦しくなります。部品の仕入れは即金が求められることも多く、こちらが客に請求書を出しても、相手の支払いは決して早くはありません。タイミングがずれるたびに焦りが募ります。そこで、ファクタリングの利用頻度が増えてきました。
売掛金を現金に換えるたびに、手数料がかかります。その分、利益は確かに減ります。でも、時間をお金で買うという感覚が近いかもしれません。資金が先に手に入ることで、仕入れも給料も回ります。現場の混乱を防ぐために、自分としては必要な選択だと思っています。
もう少し余裕があれば、と思うこともありますが、今はそういう時期なのだと受け止めています。ファクタリングで繋いでいる限り、支払いに追われて止まってしまうことはありません。借りるわけではないので、返済日を気にせずに済むのも助かっています。

本当は、求人にお金をかけなくても人が集まるような環境が理想です。でも、現実にはそうもいきません。今は、この状況をどうにかしのぐことが先決で、動かせる手段はすべて使うしかありません。

来月の請求分も、すでに入力だけは済ませてあります。入金が遅れそうなところには、先にファクタリングで対応するつもりです。毎月繰り返しているうちに、それが日常になってしまいました。
けれど、まだ諦めてはいません。整備の技術は確かに身につけてきたつもりです。この仕事を好きで続けてきたという気持ちもあります。だからこそ、続けるために今は資金をどう回すか、それだけを考えて動いています。

いつか求人広告に頼らずとも、働きたいと言ってくれる若者が来るような工場にしたい。そのためにも、今は踏ん張るしかないと自分に言い聞かせています。