銀行の借り入れが厳しい中、ファクタリングで何とか生き延びる。

東京都 WEB制作 創業7年

WEB制作の仕事を始めて、もう7年ほどになります。法人にはしておらず、個人事業として続けています。もともとはフリーランスでデザイン中心の案件を受けていたのですが、ある時期から代理店経由での仕事が増え、今では3社の代理店から定期的に案件を紹介してもらうスタイルになっていました。
ただ、ここ1~2年で状況が変わってきています。まず、大きかったのは2社の代理店からの紹介数が激減したこと。コロナ以降のクライアント予算の見直しや、社内制作回帰など、原因はいくつか思い当たります。そしてその結果、実質的に継続的な案件をくれているのは1社だけになりました。

その1社も、かつてのような新規フルサイトの案件はほとんどなく、最近は既存サイトの修正やLPの軽微な変更など、単価が低く作業時間も短い仕事が中心です。クライアントが値上げに敏感なのは理解できますし、こちらとしても長年の関係なので料金を大きく見直すことはしていません。でも、人を数名抱えていた時期に比べ、いまの収益で外注やアシスタントを維持していくのは正直きつい状況です。
そんな中、ある月の入金が予定よりずれ込むことがありました。修正案件が集中し、月末の締め作業が間に合わなかったそうで、翌月処理に回ったとのこと。大きな問題ではないはずですが、家賃や外注への支払いが重なるタイミングだったため、資金繰りに不安を覚えるようになりました。

人を減らすか、仕事のスタイルを変えるか、悩んでいる時に見つけたのがファクタリングでした。最初は「借金とは違う」と書いてあっても半信半疑でしたが、調べてみると売掛金の買取という形で資金化できることが分かり、興味を持ちました。
数社に問い合わせてみた中で、対応が丁寧でこちらの話をよく聞いてくれた業者に書類を送り、見積もりを出してもらいました。提出したのは、定期的に取引のある代理店からの請求書と、過去の入金実績です。個人事業でも問題ないとのことだったので、免許証や通帳のコピーなどを合わせて提出し、審査に進みました。

審査は思っていたよりも早く、その日のうちに仮承認の連絡がありました。ファクタリングというと、手数料がかなり高いイメージがありましたが、想定よりは抑えられており、1割以下での買取提示でした。正直に言えば、頻繁に使うのは難しい金額です。ただ、「ここ一番の資金繰りの補助」と考えると、選択肢として持っておく価値はあると感じました。
今回は、売掛先に通知をしない「2社間ファクタリング」での契約にしました。先方に知られるのは避けたかったので、この形式に対応してもらえたのはありがたかったです。手続き完了後、請求書発行から3日ほどで資金が振り込まれ、ひとまず月末の支払いには間に合いました。
使ってみて分かったのは、ファクタリングは「日常的に使うもの」ではなく、「緊急時の選択肢」だということです。今はまだ、仕事がゼロになったわけではありませんし、多少の波をやりくりすればやっていけると思っています。ただ、次に同じような状況があった時、慌てずに済むという安心感は大きいです。
人を減らすか、値上げを打診するか、本格的な判断はまだしていません。でも、もう少しこのまま様子を見ながら、いざという時には今回のように柔軟に対応していこうと思っています。ファクタリングがその選択肢の一つになるとは、正直以前は思っていませんでした。

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