夜の街と共に瀕死の経営をファクタリングでやりくり。

広島県 酒類販売業 創業32年

酒類の卸と小売を行っています。取引先は、スナックやバー、キャバクラなど夜の業態が中心で、最近は一般家庭向けにネット販売も始めました。どちらのルートも、売上は以前と比べて伸び悩んでいます。

大きな理由は価格競争です。スーパーやディスカウントショップでの酒類の価格が非常に安く、業務用で仕入れていた飲食店も一部では量販店から直接購入するようになっています。飲食店の経営者と話をすると、「少しでも安く」と言われることが増えました。結果的に、こちらの仕入れ値にほとんど利益を上乗せできない取引が増えました。

さらに円安の影響で、輸入酒の仕入れ価格が上がっています。国内の流通在庫が尽きると同時に値上がりが現実のものとなりましたが、小売価格に転嫁しきれません。価格を上げると売れなくなるため、仕入れを調整するしかありませんでした。

燃料費や人件費もじわじわと上がっています。配送車のガソリン代が毎月のように変わるため、配達コースの見直しや同乗配達などで工夫をしていますが、固定費を削るには限界があります。パートやアルバイトにも最低賃金の引き上げが影響しており、出勤日数の調整などでしのいでいます。

このような中で、ある月に複数の得意先から支払いの延期を求められました。それまでに発注された商品はすでに納品済みで、売上としては計上されていましたが、現金が入ってこない状況になりました。仕入先への支払いが迫っていたため、すぐに現金が必要となりました。

銀行にも相談しましたが、審査には時間がかかり、早期の資金化には向きませんでした。そこで、初めてファクタリングを利用することにしました。取引実績のある請求書をもとに、売掛金を現金化できる仕組みだと説明を受け、手続きに入りました。

手数料は決して安くありませんでしたが、即日の対応で資金が得られたことで、仕入先への支払いに間に合わせることができました。今後の資金繰りを考えると、恒常的に頼るものではないと考えていますが、緊急時の対応手段としては有効だと感じました。

同じような経営状況の同業者も多く、最近はファクタリングを使うという話を耳にすることが増えました。資金繰りを安定させるための策は他にも必要ですが、現実として、当面の運転資金の確保が第一となっています。

日々の商売は、取引先の動向や世の中の経済に大きく左右されます。安定した仕入れと販売のバランスをとりながら、少しでも利益を残せるよう努力を続けるしかありません。今後も柔軟に対応しながら、まずは事業を続けることを第一に考えています。

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