通所介護施設です。 利用者の為ファクタリングして経営を続けています。

兵庫県 介護福祉事業 創業36年 

短期入所とデイサービスを運営しています。母が開設した施設で、私はその二代目という立場になります。母の代から通ってくださっている利用者さんも多く、ここを閉めてしまえば行き場を失うお年寄りが出てしまう。そう考えると、簡単にやめるわけにはいきません。

ただ、現実は厳しいです。加算が取れないのが最大の原因です。スタッフの確保が難しく、基準を満たせない日が続いています。以前は常勤の看護師がいて、個別機能訓練加算も取れていましたが、退職してからは補充ができていません。求人を出しても応募がない。来てもすぐ辞めてしまう。都市部に出た若い人は戻ってこない。そういう地域なんです。

加算が取れないと、報酬が減ります。報酬が減ると、できることも限られる。そうすると、利用者も離れていく。悪循環です。送迎時間を短縮したくても人がいないので回り切れない。入浴も時間を調整しながらの対応。現場はギリギリです。

そんな中、資金繰りをどうにかするためにファクタリングを始めました。介護報酬債権は月末締めの翌々月払いなので、手元に現金が届くまでに時間がかかります。でも、毎月の給与や家賃は待ってくれません。もともとは一度だけのつもりでしたが、現場の体制が整わないまま時間が過ぎ、気づけば毎月のように利用するようになっていました。

最初は怖かったです。何か間違っているんじゃないか、経営者として失格なんじゃないかと。でも、地域での役割を考えると、やめるという選択肢はありませんでした。お年寄りがここでの時間を楽しみにしてくれている。朝の送迎車に笑顔で乗ってきてくれる。それが私たちの支えでもあります。

定期的なファクタリングには、良し悪しがあります。資金繰りが回る安心感はあるけれど、毎月一定の手数料がかかる以上、利益率は当然下がります。根本的な解決ではないことも分かっています。でも、施設を維持するための時間を買っているという意識で続けています。

本当は、新しいスタッフを迎えて、再び加算が取れる体制に戻したいです。それができれば、ファクタリングに頼らずにやっていける見込みはあります。今はまだ、その準備段階。今月も報酬債権の一部を売却して、何とか持ちこたえました。

どこまで踏ん張れるか分かりません。でも、利用者さんの「また来るね」という言葉を信じて、やれるところまで続けてみようと思っています。

お寄せいただいた体験談は、お客様が特定できないことを目的に、若干の修正をしております。改変に当たり文章の意図は変えておりませんので、ご理解ください。