長野県 建設業 創業12年
建設業を一人親方で営んでいます。
去年の暮れ、現場で足を滑らせて骨折し、しばらく仕事ができない時期がありました。
全治二か月。現場復帰どころか、請求もまともにできない。
それでも家賃、生活費、税金は待ってくれません。当初、知人にファクタリングを勧められましたが、正直、抵抗がありました。
「手数料が高い」「変な業者に引っかかるかも」と警戒し、結局、自己資金でなんとか乗り切ろうと決めました。
ところが、ケガの治療費や生活費で、わずかな貯金はあっという間に底を突きました。
売掛金の入金も、完工が遅れたせいでズレ込み、待てど暮らせどお金が入ってきません。
そのうち、カードの支払いや公共料金も滞り始めました。さすがにもう限界だと思い、今度は自分からファクタリング業者を探しました。
ところが、実際に問い合わせをしてみると、話はそう簡単ではありませんでした。
「売掛先との取引履歴が浅い」「金額が少なすぎる」「すでに支払遅延が出ている」
そんな理由で、何件ものファクタリング会社に断られました。どこも「即日資金化」なんて謳っていたのに、いざ相談すると、条件が厳しかったです。焦る気持ちばかりが募り、次第に冷静さも失っていきました。
このままでは廃業しかない、そんな言葉が頭をよぎるようになりました。
ようやく、四社目の『中小企業ビジネスサポーターズ』さんが、相談に乗ってくれました。
こちの状況が状況なので、条件的に厳しいのは当然ですが現金化できるだけありがたかったです。売掛金を買い取ってもらい、滞っていた支払いをなんとか済ませました。
支払先への信用だけは絶対に守りたかったので、間に合って本当にホッとしました。今思えば、最初に紹介してもらった段階で、素直に相談しておけば良かったです。
意地を張って時間を無駄にし、かえって悪化させたのは自分自身でした。
ケガの回復後、仕事には徐々に復帰できましたが、取引先との関係を取り戻すのにも時間がかかりました。
無理をして信用を落としていたら、復帰どころではなかったと思います。
それ以来、資金繰りに対する考え方も変わりました。
売掛サイトをできるだけ短く交渉すること、もしもの時はすぐに相談できる業者を確保しておくこと、そして、無理なプライドを捨てること。
ファクタリングは確かにコストがかかります。でも、会社や生活を守るために必要な時もあるのだと、身をもって痛感しました。これからも慎重に、でも柔軟に、続けていくつもりです。
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