大阪府 建設業 創業12年
建設の現場に出るようになって、もう十年以上になります。今は一人親方として、トビで現場を渡り歩いています。人を雇う余裕もなく、道具や作業着も全部自腹。日当で動いてはいますが、元請けからの直接契約ではなく、さらにその下の下、いわゆる「ひ孫請け」の立場です。
今の現場は、鉄骨の建て方を請けています。現場自体はしっかりしていて、施工管理もちゃんとしてる。ただ、自分が所属してる下請けの社長が、少し前から「資金が苦しい」と漏らしていました。給料の支払いが少し遅れるようになり、ついに先月は丸々一ヶ月、何の振込みもありませんでした。
連絡を入れても最初は曖昧な返事ばかりでしたが、直接会って話し、次の月には遅れていた分とその月分を一緒に払う、それ以降は必ず月末払いに戻すと約束を取りました。
社長が自分の車を売ってでも金を作ると言ってくれたのもあって、もう少し信じてみようと思いました。とはいえ、実際に一ヶ月収入が途絶えると、生活は厳しいです。貯金なんてほとんどしていませんでした。毎日弁当も作って、タバコも控えてる。それでも家賃と光熱費、ガソリン代と保険。全部は待ってくれません。
どうにかならないかとスマホで「建設業 給料遅れ 生活費」と検索していたときに、「ファクタリング」という言葉を初めて見ました。最初は何かのローンかと思いましたが、調べると「売掛金を買い取ってもらう仕組み」だと書かれていました。要は、支払い予定の金を先に現金化できるということです。
夜中に相談フォームから連絡を送り、次の日には担当の方から電話がありました。建設業で1人親方、現場名、請負元、請求額、支払予定日などを伝えると、すぐに対応可能だと言ってくれました。請求書と発注書のコピー、それに通帳の履歴を写真に撮って送るよう言われ、全部その日のうちに提出しました。
午後には「買取可能です」との連絡があり、指定された書類に電子署名して、翌日の午後には口座に30万円が入金されていました。全体で35万円の請求額に対し、手数料を差し引いての金額でしたが、今の自分には十分でした。家賃とガソリン代、支払いの滞っていた携帯料金もなんとか間に合い、気持ちに少し余裕ができました。
正直、ファクタリングなんて聞いたこともなかったし、最初は怪しいとも思っていました。でも、あのタイミングでなかったら、電気も止まっていたかもしれません。現場にはちゃんと出ているし、請求もあるのに金がない。そんな状態を救ってくれる方法があるとは思っていませんでした。
支払ってくれるという社長の言葉は信じたい。でも、次に何かあったときに備えて、もう少し備えが必要だとも思いました。少しずつでも貯金を作って、余裕を持てるようにしないと。また、ファクタリングの会社と相談しながら、もしものときに備えておきたいとも感じました。
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