滋賀県 農業 創業42年
私は父の代から続く農業を継ぎ、ハウス栽培でほうれんそうを育てています。ハウス栽培は天候の影響を受けにくく、年間を通して安定した出荷ができるのが強みです。特に寒い時期には需要が高まり、品質の良いものを市場に出せば、それなりの価格で取引されることが多いです。しかし、ここ数年の肥料価格の高騰は経営に大きな影響を及ぼし、今までのやり方では乗り切れないと感じることが増えてきました。
以前はある程度、国や自治体の補助金が出ていたため、価格上昇の影響を和らげることができました。しかし、その補助も年々縮小傾向にあり、現状では肥料代の負担が大きくのしかかっています。仕入れコストが上がっても、販売価格を簡単に引き上げることはできません。市場の動向やスーパーとの契約価格が影響するため、思うように価格転嫁ができず、利益率はどんどん下がる一方です。
このままでは経営が立ち行かなくなると考え、何とか資金を確保する方法を模索しました。追加の借入はなかなか審査が通らず困っていました。そんな時に、取引先の同業者からファクタリングの話を聞きました。
同業者が利用している『中小企業ビジネスサポーターズ』さんを紹介して頂き慎重に話をききました。私はこれまで利用したことがなかったため、話では本当に安全なのか、手数料はどの程度かかるのかなど、を丁寧に説明してもたい、契約内容をしっかり確認し使い方に気を付けることで、リスクを抑えながら資金を確保できると判断しました。
実際に利用してみると、予想以上にスムーズに資金調達ができました。これにより、必要な肥料を確保し、ハウス内の環境を維持することができました。作物の品質を落とすことなく、安定した出荷を続けることができたことは、経営にとっても大きな安心材料となりました。
もちろん、ファクタリングは便利な反面、手数料が発生するため、常に利用するのは得策ではありません。それでも、いざという時に活用できる手段があるということを知り、資金繰りの選択肢が広がったのは大きな収穫でした。
今後も肥料価格が安定する見込みはなく、経営の工夫がますます求められる状況です。コスト削減の方法を模索しながら、新たな販売先の開拓や、契約条件の見直しなど、できることを少しずつ進めていきたいと考えています。今回の経験を活かし、資金の流れをより計画的に管理しながら、安定した農業経営を続けていくつもりです。
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