絶頂の時こそ足元の資金繰りに注意したい。ファクタリングで危機脱出

千葉県 通信設備工事 創業31年

通信設備工事を営む会社を経営して31年が経ち、通信インフラの発展とともに事業を拡大してきました。オフィスや商業施設、公共施設など、さまざまな現場で通信設備の設置や保守を行い、安定した取引先にも恵まれています。しかし、長年の経験があるとはいえ、時に資金繰りに悩まされることもあります。

通信設備工事業界では、年度末から新年度にかけての3月・4月が繁忙期となり、この時期は官公庁や企業の決算期と重なるため、新規設備の導入やネットワーク環境の改修工事が集中し、当社にとっても最も忙しい時期となります。今年も例外ではなく、次々と受注が舞い込んできました。受注が増えること自体はありがたいことではありますが、その一方で、工事に必要な機器や資材の仕入れが急増し、資金が一時的にひっ迫する状況に陥りました。

さらに、昨今の物価高騰の影響を受け、仕入れ価格が上昇していることも負担を大きくしております。特に、通信機器や配線資材の価格は数年前と比べてもかなり高くなっており、これまでの資金計画では対応しきれない部分も出てきてしまいました。工事が完了すれば売掛金として回収できる見込みはあるものの、現時点では支払いと回収のタイミングが合わず、キャッシュフローが一時的に厳しくなってしまいます。

このような状況を打開するため、色々調べた結果、『中小企業ビジネスサポーターズ』を知り、ファクタリングを活用することをにしました。すでに納品が完了し、請求済みの売掛金を資金化することで、仕入れに必要な資金を確保することができました。銀行融資も選択肢として検討いたしましたが、審査や手続きに時間がかかることを考慮し、スピーディーに資金調達ができるファクタリングを選んだ次第です。

ファクタリングを利用したことで、繁忙期の仕入れ資金をスムーズに確保できただけでなく、従業員への給与支払いや協力会社への支払いも滞りなく行うことができました。繁忙期を乗り越えれば、売掛金の回収が進み、資金繰りは安定すると見込んでいます。したがって、今回はあくまで一時的なキャッシュショートを補うための手段としてファクタリングを利用し、経営の安定を維持することができました。

今後は、こうした資金繰りの問題を未然に防ぐため、繁忙期前に資金計画をより慎重に立てる必要があると考えています。仕入れコストの上昇を見越した資金調達の準備や、長期的な財務管理の強化を進めることで、今後の事業運営をより盤石なものにしていきたいと思います。

今回の経験を通じて、資金繰りの重要性を改めて認識いたしました。どれだけ受注が増えても、資金が回らなければ事業を円滑に運営することはできません。適切なタイミングで適切な資金調達を行うことが、企業の成長と安定経営につながると強く感じております。これからも、時代の変化に対応しながら、安定した事業運営を続けてまいります。