経費は上がりっぱなし仕事は減少傾向。今はファクタリングしながら辛抱の時期。

広島県 解体業 創業23年

住宅の解体工事を専門にしている会社をやっています。といっても、従業員は5人だけの零細企業です。父親の代から続けてきた仕事で、親方である自分がトラックにも乗れば重機も扱う。現場に出ない日はほとんどありません。ここ数年、解体の現場もだいぶ変わってきました。
とにかく分別が細かくなっていて、建材や瓦、ガラス、石膏ボードなどをすべて手作業で仕分けなければならず、作業時間も以前よりずっとかかります。特に瓦屋根が残っている古い木造住宅なんかは厄介で、家の大きさにもよりますが、屋根の解体だけで3日以上かかることもあります。
さらに追い打ちをかけているのが、産廃の処分費の高騰です。以前なら無料で引き取ってくれたようなものまで、今は有料になっていたり、そもそも受け入れしてくれる業者が限られていたりします。
これだけ手間がかかって、処分費も上がっているのに、解体の単価はなかなか上がらない。元請けも厳しいのは分かりますが、こちらも材料費がかかるわけじゃない分、人件費と処分費のやりくりがシビアです。

先月、請けた現場が立て続けに2件、大きめの瓦屋根の住宅で、両方とも手間も処分費も予想を超えてしまいました。支払いのタイミングはどちらも月末締めの翌月末。人件費もガソリン代も先に出ていくのに、入ってくるのは1ヶ月以上先。普段ならギリギリ回るはずの資金繰りが、完全に狂ってしまいました。
それでも従業員にはきちんと給料を出したいし、瓦を積んだままのトラックを修理に出す必要もあって、資金がどうにも足りない。金融機関に相談するほどの余裕も時間もなかったので、ネットで見つけたファクタリングという仕組みに頼ることにしました。

正直、最初は不安だらけでした。こういった業者に頼むのは初めてだったので、騙されたらどうしようかと頭をよぎりました。でも、電話口の担当者がとても丁寧に説明してくれて、取引先に通知しない「2社間ファクタリング」も選べると聞いて、少し安心しました。
提出書類も思ったよりシンプルで、請求書と工事契約書、過去の通帳のコピーを出して、2日後には90万円の請求に対して約80万円が振り込まれました。手数料は決して安くはありませんでしたが、必要な支払いを滞りなく済ませることができたので、背に腹は代えられません。

今回のことで、資金の見通しをもっと早めに立てるべきだったと痛感しています。手間がかかる工事が重なるだけで、ここまでキャッシュが苦しくなるとは思っていませんでした。今後は、請負金額だけでなく、現場の内容を見て見積もりを出す時点から処分費と手間をしっかり考慮しないといけないと思っています。
ファクタリングは緊急時の選択肢としてはありがたい存在ですが、使わずに済むのが一番です。それでも、いざという時に動ける体制を知っておくことが、零細企業には何より大切なのかもしれません。

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