物価高でも前受け金は、ほとんど上がらずファクタリングに頼っている。

愛知県 創業28年 建設業

ひとり親方に近い形で、従業員1人と2人でやっている内装の請負業です。ビルの内装や、店舗の改装がメイン。昔からのつながりで声をかけてもらうことが多いですが、最近は請けたところで儲けが出にくくなってきました。材料費がとにかく高い。石膏ボード、床材、クロス、接着剤――どれもここ数年で倍近くになった印象です。
以前なら、前受けでもらった金額で材料を揃えて、少しは手元に残ったものですが、今はほぼゼロ。材料を買い揃えたら、それで終わり。現場に入るまでの準備だけで財布が空になります。

従業員の手も借りながら現場を回していきますが、こちらも時給で払っている以上、材料費だけでなく人件費も出ていく一方です。幸い、若いのに気持ちよく働いてくれていて、なんとか辞めずについてきてくれています。ただ、それもこちらの資金繰り次第。月末の支払いが遅れるようになったら、いつまで信頼を保てるか分かりません。
入金はほとんど月末締め翌月末払い。しかも、元請けやそのまた元請けが関わる現場では、2か月待ちも珍しくありません。かといって、自分で元請けとして全部抱えるほどの余力もない。中小の内装業者にとって、この時間差が一番つらいです。

何度か本気で資金が尽きそうになったことがありました。あるとき、知り合いから「ファクタリングっていうのがあるよ」と教えてもらい、半信半疑で試したのが最初です。2社間の契約で、相手先には知られずに資金化できるのがありがたかった。今では、毎月ではないものの、2〜3か月に1度は利用しています。
請求書を発行した段階で、8割程度が先に手元に入る。その分、手数料はそれなりにかかりますが、いまは「お金が足りないこと」が一番のリスクです。少し余裕ができたら、材料のまとめ買いや中古の道具の仕入れにも回せる。精神的にも、かなり楽になります。
もちろん、理想はファクタリングに頼らない経営です。でも、現実には仕事量はあるのに、支払いが先になるという構造が変わらない以上、こういった資金調達は今後も必要になる気がしています。ファクタリングがあったおかげで、なんとか従業員を育てながら仕事を回せていますし、来年にはもう一人増やせないかという話も出ています。

一歩ずつですが、続けることが何より大事だと思っています。材料費がさらに上がったときの備えにもなるよう、次はファクタリングと併用して小口の借入も検討しています。借金に抵抗がないわけではありませんが、現場を止めるよりはずっといい。
この先も、景気がどうなるか分かりません。ただ、選ばれる業者になるには、仕事を断らないことが何よりの信用です。そういう意味でも、資金の流れを止めない仕組みとして、ファクタリングはうちにとって欠かせない道具のひとつになっています。

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