飲食業 創業58年 愛知県
私たちの店店は、法人の接待利用を中心に営業を続けてまいりました。落ち着いた和の空間で、厳選した食材を用いたコース料理をご提供し、長年にわたり多くの企業様にご愛顧いただいています。重要な商談の場や、大切なお取引先をもてなす場としてお選びいただくことが多く、安定した売上を維持していました。
しかし、ここ数年で状況が変わりつつあります。企業の経費削減が進み、かつて頻繁にご利用いただいていたお客様の来店が減少してきました。以前は毎週のようにいただいていたご予約も、現在では月に一度ほどに留まるケースが増えています。それに加えて、食材の価格高騰が経営を圧迫している状況です。特に、店の看板メニューとなる新鮮な魚介類や上質な和牛の価格は、以前の1.5倍から2倍近くにまで上がっており、料理の品質を維持するためにはどうしても原価率が高くなってしまいます。
このような状況が続く中、キャッシュフローの悪化が顕著になり、経営の安定性に不安を感じるようになりました。法人利用が減少している今、新たな顧客層を開拓することが急務となっています。これまでの接待向けのコース料理中心の営業形態に加え、観光客や個人のお客様にもご利用いただけるような新たな取り組みが必要だと考えるようになりました。
そこで、まずは観光客の方々に向けたメニューを開発し、日本の伝統的な食文化を気軽に楽しんでいただけるような工夫を凝らすことにしました。また、個人のお客様にもより身近に感じていただけるよう、アラカルトメニューの導入や、SNSを活用した情報発信にも力を入れることを検討しています。
しかし、これらの施策を実行に移すためには、メニュー開発や設備改修、広告宣伝費などに充てる資金が必要でした。銀行融資も視野に入れましたが、売上の減少傾向を理由に希望する金額の融資を受けることは難しく、他の資金調達方法を模索することとなりました。そのような折、知人からファクタリングという方法があることを教えてもらいました。
ファクタリングは、売掛金を早期に現金化できる仕組みで、銀行融資のように厳しい審査を受ける必要がなく、短期間で資金を調達できる点が大きな魅力でした。私どもの店では法人のお客様が多いため、売掛金の支払いが月末に集中することが多く、資金繰りに余裕がない月もありました。ファクタリングを利用することで、本来であれば数週間後に入る予定の売掛金をすぐに現金化し、観光客向けの新メニューの開発費や広告費に充てることが可能となりました。
資金繰りが改善したことで、新たな施策を実行に移すことができました。観光客向けのメニューを導入し、店内の雰囲気もよりカジュアルに改良したことで、国内外のお客様に気軽にご利用いただけるようになりました。また、外国人観光客の方がSNSで当店の情報を発信してくださったことで、海外からの予約も少しずつ増え始めています。個人のお客様のご来店も増加傾向にあり、少しずつ手応えを感じるようになってきました。
法人利用の減少による売上の落ち込みを完全に補うには、まだ時間がかかるかもしれません。しかし、ファクタリングを活用することで、今必要な資金を確保し、新たな営業方針を実行する準備を整えることができました。今後も経済環境の変化に柔軟に対応しながら、時代に合った店作りを進めてまいりたいと考えています。
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