運送業 宮城県 創業31年
下請けで運送業を営んでいます。主に指定された業者間の荷物の輸送を請け負っており、いわゆる軒下渡しの契約がほとんどです。
積み下ろしまで自社のドライバーが対応するため、想定よりも現場での滞在時間が長くなりがちで、その分残業代もかさんでいます。
ここ数年は特に人手不足が深刻で、少しでも人を確保しようと求人サイトに広告を出していますが、これも決して安い出費ではありません。
採用できたとしても、運送業界は離職率が高く、すぐにまた求人をかけなければならない。人件費も採用コストも、以前とは比較にならないほど負担になっています。
運送業自体は、荷主の都合で急ぎの依頼が続いたり、繁忙期にはそれなりに売上が立つのですが、回収までには時間がかかります。
基本的に月末締め翌々月払いが通例なので、売上が立ったところで、資金が実際に手元に入るまでには60日以上かかることも珍しくありません。
材料を仕入れるような業種ではないとはいえ、燃料代も高止まりしていますし、車両のメンテナンス費用も馬鹿になりません。
支払いだけは待ったなしでやってくるのに、売上の回収は遅い。そのズレをどうにかするために、定期的にファクタリングを利用しています。
うちが使っているのは、2社間ファクタリングです。
債権譲渡の通知を荷主に出さずに済むので、取引先に資金繰りを知られることもありません。
ただ、手数料はそれなりにかかります。売掛金の数%を手数料として支払うので、できるなら使いたくないと思っていましたが、現実問題、回らなくなったら元も子もありません。
ファクタリング会社には、あらかじめメインの売掛先を登録しておき、月末には売掛金の残高を連絡して、必要な金額を買い取ってもらう流れを取っています。
大体、翌々月入金予定の債権を対象に、月に1回か2回、まとまった額を資金化しています。最初は抵抗がありましたが、今では「使うときは使う」と割り切っています。
下手に銀行の短期借入を重ねるより、今のうちの規模ではファクタリングの方が現実的ですし、何より早い。
手続きを簡素化してもらっているので、普段の事務作業の延長線上で手配できるのも助かっています。
とはいえ、根本的な解決にはなっていません。
売掛金を前倒しで資金化しても、求人広告費や人件費の増加分がなくなるわけではないからです。
長期的には、労働時間の管理を徹底して残業を減らすとか、車両を増やして効率化を図るとか、そういった施策が必要だと思っています。
でも、今はまず目の前の資金繰りを安定させないと、そんな改善策を考える余裕も生まれません。ファクタリングを利用しながら、資金の流れを可視化し、無駄な支出を抑える努力を続けています。
いつか、外部資金に頼らずに事業を回せる日を目指して、地道にやっていくしかないと腹をくくっています。
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