広島県 土木業 創業21年
創業して21年になる土木工事会社を経営しております。ゼネコンの孫請けとして公共工事を中心に請け負っており、道路整備や護岸工事など、地域のインフラを支える仕事に携わっています。しかし、近年の業界の人手不足は深刻で、特に重機オペレーターの確保に頭を悩ませる日々が続いています。
業界全体で職人の高齢化が進み、若手の人材がなかなか入ってこない状況です。経験を積んだオペレーターは非常に貴重な存在であり、待遇を改善しないと競合他社に流れてしまうため、どうにか給与面での優遇を図ろうと努力を続けてきました。しかし、人件費の増加に加え、資材費の高騰も経営に重くのしかかっています。工事自体は安定して受注できているものの、支払いサイトが長いため、先行する経費の負担が大きくなり、資金繰りが厳しくなる場面も増えてきました。
公共工事の請負は信用があるものの、支払いまでに数か月かかることが一般的です。その間に、作業員の給与、重機の維持費、資材費などの支払いが発生するため、手元資金のやり繰りには常に細心の注意を払わなければなりません。特に、ここ数年は災害復旧工事の依頼が減少しており、大きな単価上昇が見込める案件も少なく、利益率の低い案件をこなすことで何とか会社を維持している状況でした。
そんな中、先日受注した工事では、資材の仕入れと人件費の先払いが必要になり、手元資金が一時的に不足する見込みとなりました。銀行融資も検討しましたが、審査に時間がかかること、担保の問題などから、すぐに資金を確保できる方法を探していました。そこで初めてファクタリングを利用することを決断しました。
ファクタリングを活用することで、売掛金の入金を待たずに資金を調達することができ、スムーズに資材の発注と人件費の支払いを進めることができました。特に、重機オペレーターの確保は工期の遅れを防ぐ上で重要であり、適切なタイミングで人員を配置できたことは大きな安心材料となりました。
初めてのファクタリング利用にあたり、手数料や契約内容については慎重に検討しました。一般的な融資と比べると割高な面もありますが、緊急の資金調達手段としての利便性を考えれば、十分に価値のある選択肢だと感じています。結果として、工事の進行にも影響を与えることなく、スムーズに事業を進めることができました。
今後の課題としては、やはり人材の確保と育成が挙げられます。即戦力となる重機オペレーターを確保するためには、待遇面をさらに向上させる必要がありますし、長期的には若手の育成にも力を入れなければなりません。そのためにも、資金繰りを安定させ、経営基盤を強化することが重要です。
また、今後は単に公共工事の下請けに頼るのではなく、自社で直接仕事を受注できるような体制も整えていきたいと考えています。そのためには、新たな取引先の開拓や、より利益率の高い工事への参入も検討していく必要があります。
今回のファクタリング利用は、一時的な資金繰りの問題を解決するための手段でしたが、今後の経営戦略を考える上でも大きな気づきを得ることができました。資金調達の手段を多様化し、状況に応じて適切な方法を選択することで、会社の安定経営を図っていきたいと考えています。
業界の人材難や価格競争の厳しさは今後も続くと思われますが、柔軟な資金運用を行いながら、事業の成長を目指して努力を続けていきます。これからも、地域のインフラ整備に貢献できるよう、会社の発展に向けて邁進してまいります。
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