大阪府 飲食サービス業 創業6年目
正直なところ、夜の業界ってだけで、うちはどこに相談しても断られていました。それどころか、まともに話も聞いてもらえない。それでも毎月の支払いは待ってくれませんし、スタッフの給料だって一日たりとも遅らせられない世界です。とにかく現金がなければ回らない。それがキャバクラの経営です
コロナが明けてから、景気も戻ってくるかと思ったのですが、さらに悪くなる一方。高額使うお客さんは確かに増えたんですけど、全体としては、まだ減少傾向が続いています。団体の予約も少ないし、同伴もない。お店としての売上がガツンと伸びるには、まだまだ時間がかかるという感触があります。
そんななかで資金繰りがきつくなってきて、税理士の先生に紹介されたのがファクタリングという手段でした。最初は半信半疑でした。夜の業界でもできると言ってくれる業者が、そもそもいなかったからです。何件も電話しましたが、業種を伝えた時点で断られるのがほとんどでした。「売掛先が法人じゃないと難しいです」とか「継続性が見えにくいので」とか。もっともらしい理由で、でも実際のところは「水商売お断り」というのが本音なんだろうと思います。
それでも一件、丁寧に話を聞いてくれた業者さんがいました。それが、『中小企業ビジネスサポーターズ』さんです。
担当の方がまず言ってくれたのが、「申告してますか?」ということ。ちゃんと帳簿があって、売上が正当に申告されていれば、業種に関係なく審査しますとのことでした。うちはずっと税理士にお願いしてしっかり申告してましたし、キャストの給料もすべて給与支払明細を出して、源泉も納めています。スタッフにも保険をつけていますし、領収書や帳票もすべて揃えてありました。
最初のファクタリングでは、売上帳と顧客別の伝票、それに税務申告書一式を提出しました。売掛という形ではないので「将来入金予定の売上データをもとに債権を組み立てる」という少し変則的な扱いにはなりましたが、リスク説明も納得いくまでしていただき、最終的には買取が成立しました。
その後は、月ごとに売上に波があるなかでも、安定して支払いができるようになり、キャストへの不安も減りました。業者との信頼関係もできてきたので、急な資金が必要になったときにも、柔軟に対応してもらえるようになりました。
もちろん、ファクタリングを繰り返すことにリスクがないわけではありません。入金額から手数料を差し引かれる分、手元に残る現金は少なくなりますし、売上が落ちている月には資金調達も難しくなります。無理な規模拡大や、過剰な投資には今まで以上に慎重になりました。ですが、この方法があったおかげで、倒れることなく今を乗り切れています。
夜の世界は、やはり景気が戻れば強いと思っています。派手に見えても、実際は堅実に運営しているお店も多い。ファクタリングが全部の答えになるとは思いませんが、私のように真面目に申告をして、必要書類をきちんと整えているお店であれば、使える金融手段の一つとして十分あり得ると感じました。
この業界で生き延びていくためには、何より「誠実な商売」が必要です。そして、それがきちんと証明できれば、味方になってくれる人もいる。今はまだ不景気の底にいるかもしれませんが、夜の街の灯を消さないためにも、もうしばらく踏ん張っていこうと思っています。
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