受注に空きができてキャッシュ切れ。初めてのファクタリングをする。

建設業 千葉県 創業12年

友人と3人で合同会社を立ち上げて、もう12年になります。全員、昔から現場を渡り歩いてきた鉄筋屋で、RC造のマンションやビルの現場を中心に鉄筋を組んでいます。元請けから直で仕事をもらえることはほとんどなくて、一次か二次のゼネコン下からの受注がほとんどですが、材料は基本先方からの支給で、工賃だけをしっかりもらうスタイルなので、そこまでリスクはないはずでした。

立ち上げた当初は、3人で分けるのも恥ずかしいくらいの金額でしたが、大手デベロッパーの仕事にありついてからは、毎月安定して回るようになっていました。単価も年々少しずつ上がって、ようやく職人仕事で、少しは裕福に生活していけるようになったという実感が出てきたのもここ5~6年の話です。
ただ、それも永遠には続かないようで、一去年あたりから受注のペースが目に見えて落ち始めました。もともとRCの物件しかやってないため、世に中で新築マンションの建設が減れば、その分こっちの仕事も減ります。去年は4月までは3現場を掛け持ちしていて忙しかったんですが、そのあとがなかなか決まらず、ぽっかりと1ヶ月半ほど空いてしまいました。

現場がない期間は当然、売上が立ちません。手元に多少の余力はありましたが、3人分の報酬や車両の維持費、事務所の固定費をまかなっていくとなると、思った以上に減りが早く、焦りが出てきました。次の現場の契約は決まっているし、請求も出している。だけど入金までの1ヶ月をどう乗り切るか、というところでネットで調べて知ったのがファクタリングでした。
正直、最初は抵抗がありました。借金とどう違うのかもよく分からなかったですし、合同会社みたいな小さい事業でも相手にしてくれるのか不安もありました。でも問い合わせてみると、請求書と取引実績、あとは通帳のコピーや契約書を出せば審査できるとのこと。急ぎだったので、オンラインで対応してくれるところに申し込みました。

結局、まだ入金されていない85万円の工賃のうち、70万円を買い取ってもらい、翌日に入金されました。手数料はかかりましたが、3人分の報酬と車の維持費をまかなうには十分で、次の現場の着工までなんとか持ちこたえることができました。
今回のことで、売上だけを見て安心してはいけないと痛感しました。現場が続いているうちは気にならなかった「間の空白」が、こんなに重くのしかかるとは思ってもいませんでした。職人仕事は仕事があれば金になるが、なければゼロです。備えの大切さと、いざという時に使える手段を知っておくことの重要性を、改めて思い知らされました。

ファクタリングは常用したくありませんが、どうにもならないときの選択肢としては十分ありだと思います。あのタイミングで動かなければ、3人ともバイト探す羽目になっていたかもしれませんから。

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