運送業 滋賀県 創業21年
工場から工場へ、トラックで長距離を走っています。指定された時間に荷物を届けるのが自分の仕事です。実質的にひとつの荷主と専属のような形で動いていて、月に150万円前後の売上はあります。
ただ、それがそのまま手元に残るわけではありません。燃料代は高騰する一方で、給油のたびにため息が出ます。高速代もバカになりませんし、定期的にオイル交換やタイヤ交換も必要です。走行距離が長いので、トラックの整備費だけで月に10万以上かかることも稀ではありません。トラブルが起きれば、一気に吹き飛びます。運送時間の自由が利くのが、会社ではなく個人事業主の強みです。そのため無理をすることも多く、正直、身体を削っている感覚です。
それでも、それまでは上手く回っていました。そんな時に、体調を崩してしまいました。疲労がたまっていたのは自覚していましたが、突然の発熱とめまいで、その週の便をすべてキャンセルすることになりました。一週間休むだけで、翌月の入金は大きく減ります。休んだ分の補填は一切なし。しかも請求書の発行も遅れ、売上の一部は翌々月回しに。
翌月の支払いが厳しくなるのは分かっていました。ちょうど車検が重なっていたこともあり、50万円近い出費が控えていたのです。リースの支払いや家賃、保険料もある。さすがに焦りました。
そのとき、知人からファクタリングという仕組みを聞きました。最初は半信半疑でしたが、すぐにネットで調べて、個人事業主でも対応してくれる業者に問い合わせました。請求書の写しと取引先との関係を説明し、審査は即日で完了。翌々日には30万円が口座に振り込まれました。
手数料は安くなかったです。でも、クレジットやカードローンに頼るのとは違い、あくまで自分の「売上の前借り」という形で、借金ではないという安心感がありました。もちろん、取引先には知られたくなかったので、2社間取引を選びました。
正直、ファクタリングを使うようになったという事実に、少しだけ負けたような気持ちもありました。でも、それ以上に「このまま支払いができない」リスクの方が大きかった。あのとき踏み出せたから、今こうしてまた走れていると思っています。
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