初めてのファクタリング 物価高で変わりゆく時代の波を乗り越える

熊本県 創業42年 雑貨販売

 当店は、創業42年を迎える雑貨とお土産物を扱う店舗でございます。観光地の一角に店を構え、長年にわたり地元の特産品やオリジナルの雑貨を取り扱いながら、お客様に喜んでいただける商品を提供してまいりました。これまで幾度となく時代の変化を経験し、そのたびに工夫を重ねながら乗り越えてきましたが、昨今の経済環境は、これまで以上に先行きの見えにくい状況となっています。

 ここ数年で、観光業界は大きな変化を遂げました。特にインバウンド需要の回復により、当店の売上も目に見えて伸びております。海外からの観光客が増えたことで、日本らしいデザインの雑貨や、地域の特産品を求めるお客様が増加し、これまでにないほどの活況を呈しております。売上が上がることは喜ばしいことではありますが、同時に、以前とは異なる課題も浮かび上がってきました。

 最大の問題は、物価の上昇でございます。仕入れ価格が高騰し、包装資材や店舗の光熱費までもが上がる中、以前と同じような利益を確保することが難しくなっています。売上は確かに増えているものの、利益率が低下しているため、資金繰りに余裕がなくなりつつありました。売上規模が大きくなるほど、在庫を確保するための資金も増加し、支払いサイクルの管理がより難しくなっていたのです。

 そこで、今回初めてファクタリングを利用する決断をいたしました。銀行融資を検討することも考えましたが、審査に時間を要することや、追加の借入を増やすことへの抵抗感がございました。その点、ファクタリングであれば、売掛金を早期に資金化することができ、負債を増やさずに運転資金を確保できる点が大きな魅力でございました。

 初めての利用ということもあり、正直なところ不安もございました。しかし、手続きが思ったよりもスムーズに進み、売掛金の一部を現金化することで、仕入れ資金や諸経費の支払いを滞りなく進めることができました。おかげさまで、安定して商品を供給できる体制を維持することができ、観光客の増加にも柔軟に対応することが可能となりました。

 ファクタリングを活用したことで、資金繰りの面での安心感が増しただけでなく、これからの経営について改めて考える機会にもなりました。観光業の動向は流動的であり、現在のインバウンド需要がいつまで続くかは分かりません。今後、もしまた外的要因で観光客の流れが変わることがあれば、その影響を直接受けるのは間違いなく当店のような業態です。そのため、今回得られた資金の一部を活用し、新しい販売ルートの開拓にも取り組んでまいります。

 例えば、国内のお客様にもより魅力を感じていただけるよう、オンライン販売の強化や、リピーター向けのサービスを充実させることを検討しております。また、これまで観光地の店舗としての営業が中心でございましたが、卸売や法人向けの販売など、より安定した売上につながる施策を模索していくことも重要であると考えています。

 これまでの42年間、時代の変化に適応しながら商いを続けてまいりましたが、今後も新しい手段を柔軟に取り入れながら、より良い経営を目指してまいります。ファクタリングを通じて、資金繰りに対する選択肢が広がったことは、これからの経営にとって大きな前進でした。

 今後もお客様に愛される店であり続けるために、変わりゆく時代の流れを見据えながら、一歩一歩着実に歩んでまいります。

お寄せいただいた体験談は、お客様が特定できないことを目的に、若干の修正をしております。改変に当たり文章の意図は変えておりませんので、ご理解ください。