円安に不景気が襲っているアパレル業界で、悪戦苦闘中!

岐阜県 創業32年 アパレル卸

 アパレルの卸業を営んで32年。長年にわたり、全国のセレクトショップや小売店へ商品を届けてきました。私たちの会社は、国内外のトレンドを素早くキャッチし、品質とデザインにこだわった商品を提供することで、一定の評価を得てきました。しかし、ここ数年の経済状況の変化は、私たちのような中小企業にとって厳しい試練となっています。

 特に、円安の影響で仕入れ価格が大幅に上昇していることが深刻な問題です。私たちが扱う商品の多くは、海外からの輸入生地を使ったものや、海外で縫製を行うものが多く、円安の進行によりコストが上がる一方です。それにもかかわらず、景気の低迷によって小売店側の仕入れも慎重になり、値上げを試みても受け入れられない現実があります。価格を据え置けば利益は薄くなり、むしろコスト割れしかねない状況に陥っていました。

 こうした状況の中で、私たちにとって最も苦しかったのは資金繰りの問題でした。仕入れを行うためには先に支払いが発生し、売掛金の回収までには一定の期間が必要です。これまでは、長年の取引先との信頼関係を大切にしながら、何とかやり繰りを続けてきました。しかし、最近では銀行の融資審査も厳しくなり、追加の借入れが難しくなっていました。このままでは、仕入れ資金が確保できず、事業の継続すら危うくなるかもしれない。そんな焦燥感が日に日に募っていきました。

 そんな時、知人からファクタリングという資金調達方法を勧められました。売掛金を売却することで、資金を早期に調達できる仕組みだということは知っていましたが、実際に利用したことはありませんでした。借入れではないとはいえ、取引先に知られたり、手数料が高すぎたりするのではないかという不安があり、これまで避けてきたのです。

 しかし、資金の流動性を確保しなければ、そもそも商売を続けることができない。悩んだ末に、信頼できそうなファクタリング会社を調べ、『中小企業ビジネスパートナーズ』さんに問い合わせてみることにしました。担当者と話をしてみると、思っていたよりも柔軟な対応が可能であり、当社のような状況の企業でも利用しやすい仕組みであることがわかりました。特に、取引先に知られることなく進められる「2社間ファクタリング」という方法があることは、大きな安心材料でした。手数料についても、確かに一定の負担はあるものの、今の資金繰りの問題を考えれば、必要なコストとして受け入れるしかないと判断しました。

 実際にファクタリングを利用してみると、売掛金の入金を待たずに資金を確保できるという点で、大きなメリットがありました。通常であれば、支払いサイトの関係上、資金の回収までに2カ月近くかかることもあり、その間の仕入れや経費の支払いに頭を悩ませていました。しかし、ファクタリングを利用することで、売掛金が発生したタイミングで現金化できるため、資金繰りのストレスが軽減されたのです。

 もちろん、根本的な問題が解決したわけではありません。円安や景気の低迷という大きな流れを変えることはできず、今後も厳しい経営環境が続くことは予想されます。しかし、ファクタリングによって一時的な資金難を乗り越えられたことで、少しだけ冷静に今後の戦略を考えられるようになりました。

 例えば、新たな取引先の開拓に向けて営業を強化すること、仕入れ先との交渉を見直して少しでもコストを抑える努力をすること、あるいは、国内製造の割合を増やして為替の影響を受けにくい仕組みを作ることなど、できることはまだあるはずです。また、EC販売の強化や、限定商品の開発によって付加価値を高め、価格転嫁しやすい商品を増やしていくことも検討すべき課題だと考えています。

 何より、長年培ってきた取引先との信頼関係を大切にしながら、誠実な商売を続けていくことが最も重要だと再認識しました。資金繰りが苦しくなった時、焦って無理な経営判断をしてしまえば、せっかく積み上げてきたものを一瞬で失いかねません。しかし、ファクタリングという手段を適切に活用することで、落ち着いて次の一手を考える余裕を得ることができました。

 今すぐに活路が見いだせるわけではありません。それでも、「何とか商売を続けたい」という思いを持ち続け、できることを一つずつ積み重ねていくことで、再び安定した経営へと戻れるはずだと信じています。ファクタリングはあくまで一時的な資金調達の手段ですが、今のような厳しい環境の中で、私たちのような中小企業が生き抜くための支えの一つになり得ると実感しました。これからも試行錯誤を繰り返しながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思っています。

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