入院で働けない期間でたくわえを使い果たし仕事復帰の売掛をファクタリング

水運業 愛媛県 創業18年

内航の仕事を始めてもう二十年近くになります。請負船長という立場で、いろいろな船に乗ってきました。仕事は港と港をつなぐ荷物運び。大型船では運べないような荷物を、沿岸で細かく運ぶ。海上輸送の縁の下の力持ちのような存在ですが、物流の現場ではそれなりに重要な役割を担っています。
この業界も高齢化が進んでいて、若い船員はほとんど入ってこない状態です。だから、ある程度の資格と経験があれば、引き合いはかなり多い。報酬も悪くありません。定期船とは違って、仕事ごとに条件を詰めて契約する形なので、タイミングさえ合えば効率もいい。実際、体が動いていた頃は、ほぼ休みなく動いていました。ただ、そんな中で病気が見つかりました。肝臓でした。しばらく違和感があったんですが、気づいた時にはもう、医者から「すぐに治療を始めるべき」と言われるような状態で、結局は1年以上入院することになりました。

請負の身ですから、仕事を休めばそのまま収入もゼロ。積み上げてきた貯金も、入院費や生活費でみるみるうちに減っていきました。退院した頃には、船に戻るための費用すら心許ない状態で、「さて、どうしようか」と真剣に考えました。

そんなときに、昔の仲間から聞いたのがファクタリングという方法でした。最初は「何それ?」という感じでしたが、話を聞くうちに、売掛金を早く現金化する仕組みだと知り、興味が湧きました。
復帰してからの最初の航海は、前にも乗ったことのある業者の船でした。短期の契約で、航海終了後に請求書を出し、支払いは約45日後。普段ならそれでも問題ないのですが、このときばかりはどうしても待てませんでした。
見積もりを取って、条件を確認して、必要な書類をそろえて申し込む。初めてのことばかりで少し緊張しましたが、案外手続きはスムーズで、申し込みから3日ほどで振り込みまで完了しました。もちろん、手数料はかかります。ですが、今の自分にとって大事なのは、手元にすぐ現金があることでした。
仕事の準備や、次の乗船までの移動費など、とにかく今を動かすためのお金が必要だったので、その意味ではとても助かりました。
借金ではない。返済義務があるわけでもない。ただ、売掛金の一部を先に現金化する。それだけの仕組みですが、実際に使ってみると、資金繰りの幅が広がったように感じました。何より、無理なく立て直す時間を買えたことが大きかったです。正直、最初は迷いました。「こういう仕組みに頼るのは、どうなんだろう」とも思いました。でも、必要なときに必要な資金を確保することは、悪いことではありませんでした。

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