入金遅れに対する対応で、初めてのファクタリングを使う。

兵庫県 土木業 創業6年 

型枠大工として独立して、もう6年になります。最初のうちは鳶や土工の応援にも出ながら仕事を繋いでいましたが、2年ほど前からはコンクリート打設まで請けるようになり、現場を丸ごと任される機会が増えてきました。現場の流れも分かっているので、元請けの監督とも話が早いし、何より段取りさえ良ければ他職とバッティングせずに進められる。仲間と3人で動けるようにしてからは、月売上で800〜1000万くらいを安定して出せるようになっていました。
ただ、売上と手元に残る金の話は別です。職人への日当、材料費、ポンプ代、それに重機のリースなど、前払いばかりなのに、入金は遅い。請求から実際に入金されるまで、1ヶ月半はかかるのが普通で、年末年始やお盆を挟むともっと延びる。いくら帳簿上の売上があっても、支払いが続けば資金はどんどん減っていきます。
そんな中、3月頭に入る予定だった700万の現場の入金が、4月下旬まで遅れると言われました。元請けの会社が悪いわけではなく、一次の支払いサイクルの都合でした。ただ、自分としてはその700万で次の現場の材料を揃える段取りを組んでいたし、何より職人の日当もまともに出せなくなる。資材屋からも「今月の分、ちょっと待ってくださいじゃ困る」と言われて、完全に資金が詰まった感覚でした。

そのとき、同業者の先輩から「ファクタリングって知ってるか?」と教えられました。最初は抵抗がありました。借金と変わらないような気がして。でも、「売掛金を前倒しで現金に換えるだけ。保証人も担保もいらないし、短期で済むなら選択肢の一つだぞ」と言われ、ネットで調べてみることにしました。
何社か問い合わせましたが、最初の2社には「建設業で一次請けでないと難しいです」と言われました。うちは二次請けです。でも3社目に連絡したところは、請求先や契約内容、過去の入金実績をしっかり出せば検討できるとのこと。すぐに必要書類を整えて、先方とリモートで面談をしました。

結果、請求済みの700万円のうち、400万円を買い取ってもらう形で契約が成立しました。手数料はもちろん安くはありませんでしたが、それでも翌営業日には口座に振り込まれ、支払いも段取りも無事に間に合いました。
今回のことで、資金の流れをもっと正確に読まなきゃいけないと痛感しました。建設業は「仕事がある=安泰」じゃない。支払いのタイミングと入金のズレがある以上、資金繰りは常に気にしておかないといけません。ファクタリングを使うのは今回限りにしたい気持ちはありますが、もしまた急場でどうにもならなくなったときには、選択肢として頭の片隅に置いておこうと思っています。

お寄せいただいた体験談は、お客様が特定できないことを目的に、若干の修正をしております。改変に当たり文章の意図は変えておりませんので、ご理解ください。