滋賀県 屋根工事業 創業15年
屋根工事の仕事を始めて15年になります。最初は瓦屋根の葺き替えや金属屋根の塗装が中心で、脚立と梯子を抱えて地域の住宅街を巡る毎日でした。数年前には、職人仲間と立ち上げた小さな事務所と倉庫を借り、工具や資材をまとめて保管できるようにしました。高所作業と雨のタイミングに神経をすり減らしながらも、仲間と笑い合う時間が支えになっていると感じています
ここ数年、資材価格の上昇は屋根業界に大きな影を落としています。ガルバリウム鋼板やアスファルトシングルは輸入コストの上乗せで仕入れ値が2割以上アップし、防水シートや金具も同様です。海外工場の稼働状況に左右され、納期は数週間単位で遅延することも珍しくありません。足場材のレンタル費用も上がっていて、倉庫の保管スペースを増やすための賃料負担も重くのしかかります。
そんな状況下、住宅の修理依頼が急増し、急な雨漏り対応や台風被害の補修が相次ぐ一方で、見積書をお客様に提出するたびに胸が痛みます。
資金繰りを安定させるため、定期的に利用しているのが2社間ファクタリングです。完了検査後の請求書を譲渡し、翌営業日には指定口座に入金があるため、材料の先買いや職人への支払いに余裕が生まれます。契約時は複数の業者を比較し、手数料や審査スピード、秘密保持の方針を細かくチェックしました。元請けに知られることなく資金化できるため、お客様との信頼関係を損ねずにキャッシュを確保できる点が大きなメリットです。ただし、手数料は請求額の3~7%と高めなので、使うタイミングは慎重に見極めています。
ファクタリングで得た資金は、雨漏り修理の緊急対応や足場架設業者への早期入金に充てられ、職人のスケジュール調整もスムーズになります。月末の支払いに追われるストレスが減り、現場管理に集中できるようになったことで、施工ミスや工期遅延も減少しました。一方で、何度も使い続けると手数料負担で利益が削られるリスクも実感しました。資金調達が本業になってしまうと本末転倒です。
そこで並行して始めたのが、新サービスの開発です。屋根の定期点検・メンテナンス契約をサブスクリプション方式で提供し、春と秋に屋根材の状態をチェックする小口契約を設けました。屋根材の劣化具合やシーリングのひび割れを早期に発見できるため、お客様には安心感が広がり、こちらも安定した収入源になっています。さらに、破損した雨どいの修理や軒先の苔落としといった、少人数体制で対応できる軽作業を組み合わせることで、収益の幅を広げています。
屋根工事という職人仕事は、どんな時代でも必要とされ続けます。資材価格の高騰や天候不順に翻弄されながらも、日々の現場で得られる達成感があります。定期的なファクタリングは、その達成感を支える裏方のような存在です。
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