今は我慢の時期。定期的にファクタリングを利用して踏ん張る。

長崎県 漁業 創業34年

沿岸漁業をしています。小型船で港を出て、湾の中で獲れるものを狙います。アジ、イワシ、イカ、カサゴ、季節によって変わりますが、その日の海の様子を見ながら判断します。沖に出るような大きな漁はしていませんが、それでも燃料は必要で、ここ数年の高騰がじわじわと効いています。
天気が悪ければ当然出られません。出られたとしても、波が高ければ網も出せず、引き上げても魚が散っていればほとんどかかりません。漁に出られる日数が限られるうえに、収量も読めない仕事です。それでも、網は張り替えないと破れたままでは使えず、氷代や餌代、港の使用料と、漁に出ない日にも出ていく金はあります。

漁協を通して出荷すると、支払いは月末締めの翌月払いが基本です。現金が入るまで時間がかかります。以前はそれでも何とかやりくりできていたのですが、燃料代が上がってからは、いよいよ資金繰りが厳しくなりました。今は定期的にファクタリングを利用しています。
最初は手を出すのが怖かったです。売掛金を早く現金化できるとはいえ、手数料が差し引かれるのが気になりました。でも、漁に出るための資金がなければ何も始まらない。そう考えて一度使ってみると、想像よりもスムーズでした。漁協が発行する出荷証明と売掛明細を見せると、だいたいの金額はそのまま通ります。そこから先は定期的に利用するようになり、今ではほぼ毎月決まったタイミングで資金を回しています。
もちろん、いつまでもこのままではいけないと思っています。手数料があるぶん利益は削られるし、依存すればするほど身動きが取りにくくなる。でも、燃料が安くなる見込みもなく、漁獲高も不安定な中で、いまのところ他に手段がありません。

ただ、少しずつ現金収入を増やす工夫はしています。最近は地元の食堂や小売に直接魚を持っていくことも増えました。港に戻ったタイミングで声をかけてくれるところもあり、こちらとしても即金でもらえるのは助かります。ただし、数量は限られており、漁協への出荷と両立させながら、様子を見ている段階です。
ファクタリングを使う額は、月によって変わります。以前よりは少しずつ減ってきましたが、波が続けばまた増える月もあります。それでも、少しずつでも自分の力で立て直していければと思っています。

海は簡単に読めません。だからこそ、手元資金は安定させておきたい。漁に出るために必要な準備を整える、それだけのことです。いまはまだ、ファクタリングがそのためのひとつの手段になっています。

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