今は『中小企業ビジネスサポーターズ』さんと二人三脚のようにしながら、頑張ってます。

愛媛県 食品加工業 創業41年

缶詰の製造工場を営んでいます。昔のようにみかんや桃を詰めていた時代とは違い、今は「ぶり大根」や「たこやき」「茶碗蒸し」など、調理済みの惣菜缶詰を主に扱っています。魚や肉を使った商品が多く、素材も加工もなかなか手間がかかります。

最近では観光ブームに乗って、「ご当地グルメ缶詰」という需要が増えてきました。うちもそれに合わせて、地域の食材を使った限定商品を展開しています。テレビやSNSで紹介されると一気に注文が殺到することもあって、チャンスだと感じています。

ただし、全体の出荷量が急増しているわけではありません。一時的に伸びる波はあるものの、コンスタントな注文はあまり増えておらず、波の合間の空白期間にどう対応するかが課題です。そのうえ、ここ数年は最低賃金の上昇が著しく、原料費も光熱費も容赦なく上がっています。うちのように地方で地道にやっている加工場には、厳しい時代です。

まるで子供の頃に聞いた“狂乱物価”を見ているようで、何か仕入れるたびに驚かされます。魚も肉も、以前の価格ではもう手に入りません。それでも品質を落とすわけにはいかず、コストがかさんでいく一方です。

そんな時に、ファクタリングの利用を始めました。最初は、資金繰りがそこまで逼迫していたわけではありません。ただ、入金までのタイムラグで材料の仕入れに悩むことが増えたのがきっかけでした。ちょうど新しい商材の注文が重なった時期で、現金を先に動かせればもっとスムーズに回せるのに、という場面が何度もあったのです。

取引先は信用のあるところなので、売掛金は確実に入ります。そのため、2社間ファクタリングを定期的に利用するようになりました。回数を重ねるごとに審査も早くなり、流れも安定してきました。ファクタリングを使うことで、波の大きい受注にも柔軟に対応できています。

もちろん、手数料はコストとして重くのしかかります。ただ、それ以上に「今、現金が足りない」という場面を避けられる安心感は大きいです。何より、注文に応じた仕入れを断念せずに済むというのは、販路を広げる意味でも重要でした。

今後、物価が落ち着く見通しは正直持てません。ただ、それでも少しずつ前に進むしかありません。ファクタリングはそのための手段のひとつ。経営の主軸には据えていませんが、うちのような小さな加工場にとって、選択肢があること自体が心強いのです。

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