不慮の事故で保険対象外の賠償で経営悪化のためファクタリングを使用

建設業 埼玉県 創業26年

クレーンのオペレーターとして現場を回るようになって、もう20年になります。最初は下請けの仕事を転々としていましたが、今では自分の機材を持ち、自分で契約をとって動いています。いわゆる一人親方というやつです。クレーン車の維持費はそれなりにかかりますが、契約単価も悪くないので、普段はあまり気にせずやれていました。
仕事は基本的に請負で、現場ごとの契約です。資材の搬入や鉄骨の組立て、杭打ち機の支援など、現場によって内容も様々ですが、いずれにしても時間と安全が命です。玉掛け作業との連携がうまくいっていれば、スムーズに作業が進む。でも、ひとつ間違えば、大事故になります。

実際、事故が起きました。玉掛けのワイヤーのかけ方が不十分で、つり荷が途中で外れて落下したのです。幸い、けが人はいませんでしたが、下にあった資材と仮設設備を壊してしまい、現場に大きな損害を与えてしまいました。こちらにも落ち度があると判断され、保険会社に連絡を入れて対応を始めました。
保険は入っていました。ただ、現場の規模が大きくて、対象外とされる部分がいくつもありました。賠償金額の多くは保険でまかなえましたが、残りは自分で支払うことになり、長年の蓄えを一気に切り崩すことになりました。こういうときのために貯めていたとはいえ、実際に口座残高が減っていくのを見るのは、かなり精神的にきつかったです。

その後も現場は続いていて、クレーンの整備や移動費、燃料代など、通常の経費はかかります。次の入金までのつなぎ資金がどうしても足りず、初めてファクタリングを使いました。手数料は多少かかりますが、振込が早く、対応も丁寧だったので、思っていたよりもスムーズでした。
最初は一度きりのつもりでした。でも、その後もいくつかの現場が連続し、経費の前払いが重なったため、また利用しました。今では、毎月のように売掛金の一部を現金化しています。現場単位で動いている以上、請求から入金までに1〜2か月かかるのが普通です。そのあいだに次の現場の準備が始まるため、資金の回転が遅れると不安が出ます。
ファクタリングを使っていることを誰かに話すことはありません。業者も取引先に知られないよう気を使ってくれているので、その点は助かっています。周囲に言えば「そんなことして大丈夫なのか」と言われそうですが、やってみればわかる通り、必要なときに必要な資金がすぐ手に入るというのは、非常に大きいです。

もちろん、毎月のように手数料を払っていると、少しずつダメージは蓄積していきます。ただ、今は無理なく支払える範囲で使っているので、精神的にも追い込まれるような感じはありません。事故がなければ、こんなふうに考えることもなかったかもしれませんが、実際に起きてしまった以上、今は地に足をつけてやれることをやるしかないと思っています。

お寄せいただいた体験談は、お客様が特定できないことを目的に、若干の修正をしております。改変に当たり文章の意図は変えておりませんので、ご理解ください。