ファクタリングに支えられて事業継続。もう少し仕事が増えるまで頑張る。

愛媛県 自動車板金工事 創業18年

板金塗装の仕事を始めてから、もう20年近くになります。昔はディーラーからの依頼も多く、新車に近い状態で戻してほしいという要望に応えるため、夜遅くまで工場に明かりを灯すことも珍しくありませんでした。今は新車の販売台数が減り、古い車を大切に乗る人が増えています。そういう意味では修理の需要はあるにはあるのですが、それ以上に材料費が重くのしかかってきています。
特に塗料の価格はここ数年で目に見えて上がりました。以前は1缶2万円ほどだったものが、今では3万円を超えることもあります。中には環境対応型の塗料に切り替わっている商品もあり、色合わせの手間もかかるうえに、焼き付けの温度や乾燥時間にも気を使う必要があります。作業そのものは変わっていないのに、コストだけがかさむ日々です。

修理を希望するお客様の傾向も少し変わってきました。以前なら、小さな擦り傷でも「きれいに直して」と言われていたのが、今は「車検に通ればそのままでいい」と修理を見送る方が増えています。追突されてバンパーに大きなヒビが入っていても、「保険使うと等級が下がるから、やめておく」と修理を諦める人もいます。車を直すことへの価値観が変わってきているのを、肌で感じています。
そんな中、資材費や電気代、人件費の高騰を背景に、定期的なファクタリングを利用しています。2社間ファクタリングで、法人や保険会社からの未収金を定期的に資金化しているのですが、できるだけまとめて請求書を出すようにして、手数料の影響を抑えています。工場の稼働を止めないため、塗料やクリヤー、マスキング材料の在庫を一定量抱えておかないといけないのですが、発注と仕入れのタイミングによっては手持ち資金では間に合わないこともあり、そういうときにファクタリングに頼らざるを得ません。

ファクタリングの存在がなければ、社員の給与を遅らせる事態も起きかねませんでした。若手の塗装職人を2人抱えており、技術の習得には時間がかかります。ようやく一人前の作業ができるようになったところで、支払いが遅れるようなことになれば辞めてしまうかもしれません。現場を維持するためにも、資金の流れを絶やさないことが一番だと痛感しています。
もちろん、毎月のように使い続けるのは本意ではありません。手数料が利益を圧迫するのは明らかですし、業者選びを間違えると条件がどんどん悪くなることもあります。だからこそ、いまは使いながらも、抜け出す道筋を探っています。

最近は、保険会社からの紹介案件を増やすために、事務スタッフに見積書の作成や写真管理を徹底させています。対応が早く正確なら、次の案件につながる可能性が高まるからです。さらに、ディーラー経由ではなく個人客から直接受注できるよう、簡単なLINE相談の仕組みも導入しました。写真を送ってもらえれば概算見積を返信できるため、ちょっとした凹みや擦り傷の修理依頼が少しずつ戻ってきています。
あと、もう少しだけ仕事が増えれば、手数料に頼らなくても回せるだけの流れが作れると思っています。無理をせず、でも止まらず、地道にやるしかありません。毎日、目の前の一台に向き合って、手を動かしていく中で、「やっぱり車がきれいになると気持ちいいね」と笑ってくれるお客様の声が、一番の励みです。

お寄せいただいた体験談は、お客様が特定できないことを目的に、若干の修正をしております。改変に当たり文章の意図は変えておりませんので、ご理解ください。