ファクタリングで現在を凌ぎながら、将来の経営計画を考える

印刷業 福岡県 創業28年

印刷会社を経営しております。創業以来、長年にわたり印刷物の制作に携わってまいりましたが、近年の業界環境の変化に伴い、自社での印刷設備を手放し、現在はデザインと入稿を専門に行い、印刷そのものは外注に頼る形で業務を続けております。

 しかし、このようなビジネスモデルでは価格競争にすらまともに参入できず、受注の際に他社よりも高い価格を提示せざるを得ない状況が続いております。デザインの質や対応力で評価をいただくこともありますが、やはり多くの顧客はコストを重視し、より安価な選択肢へと流れてしまいます。このままでは、将来的に経営が立ち行かなくなる可能性が高く、会社をたたむべきかどうか、真剣に悩んでいる状況です。

 それでも、現時点ではまだ業務を継続する意思があります。これまで築き上げてきた取引先や信頼関係を簡単に手放すことはできませんし、スタッフの雇用を守りたいという思いもあります。今後、新たな収益モデルを見つけられるかどうかが大きな課題ではありますが、少なくとも現状を維持しながら模索していきたいと考えております。

 そうした中で、当面の資金繰りを安定させるため、初めてファクタリングを利用することを決断いたしました。これまで、銀行融資も検討してきましたが、審査の厳しさや借入後の返済負担を考慮すると、今の状況ではあまり現実的な選択肢とは言えませんでした。その点、ファクタリングであれば売掛金を早期に資金化でき、返済義務を負うことなくキャッシュフローを改善できるため、当社の現状に適した資金調達方法ではないかと考えたのです。

 今回のファクタリングでは、外注先への支払いをスムーズに行うための資金を確保することができました。これにより、取引の遅延を防ぎ、安定した業務運営を続けることが可能となりました。また、一定の余裕が生まれたことで、新たなビジネスの可能性を模索するための時間を確保できたことも大きな収穫です。今後は、自社で印刷設備を持たずとも競争力を維持できるような新たなサービス展開を模索し、顧客にとってより付加価値の高い提案ができるよう努めてまいります。

 現状の厳しさは依然として変わりませんが、今回の資金調達によって、少なくとも当面の業務継続に必要な資金繰りを確保することができました。これからの展望は決して楽観視できるものではありませんが、これまでの経験と信頼を武器に、新たな道を切り開いていく所存です。

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