ファクタリングで審査が通りにくい業種

ファクタリングは、売掛金を早期に資金化できる手段として多くの企業に利用されています。しかし、すべての業種が同じように審査を通過できるわけではありません。ファクタリング会社は、売掛債権の信用力を重視するため、業種や取引先の状況によっては審査が厳しくなることがあります。ここでは、審査が通りにくい業種について詳しく見ていきます。

  1. 建設・土木業

建設業はファクタリングを利用する企業が多い一方で、審査が厳しくなるケースも少なくありません。工期が長いため売掛金の回収期間が長くなりやすく、また、契約変更や追加工事による請求トラブルが発生しやすい点がリスクとみなされることがあります。さらに、元請け・下請けの関係性が複雑なため、売掛債権の譲渡制限がかかるケースもあり、審査が難航する要因になります。

  1. 水商売・風俗業

キャバクラやホストクラブなどの水商売、さらには風俗業界は、ファクタリング会社の審査を通りにくい業種として挙げられます。これらの業種は、社会的信用の問題や法的リスクを理由に金融機関からの融資も受けにくい傾向があります。加えて、売掛金の回収リスクが高く、未回収となるケースもあるため、ファクタリング会社が敬遠しがちです。

  1. 医療・介護業(診療報酬・介護報酬)

医療機関や介護施設は、国や自治体からの診療報酬・介護報酬を受け取るため、収益の安定性は高いといえます。しかし、診療報酬や介護報酬は国の制度に基づいたものであり、債権譲渡が制限されることが多いため、通常のファクタリング会社では取り扱いが難しい場合があります。これらの業界には専門のファクタリング会社が存在するため、そちらを利用する必要があるでしょう。

  1. 個人事業主(特にフリーランス)

個人事業主やフリーランスも、ファクタリングの審査が厳しくなることが多いです。特に、案件ごとに契約が変わる業種(ITエンジニア、デザイナー、ライターなど)の場合、継続的な売掛金が発生しにくく、取引先の信用力を判断しにくいため、審査が通りにくくなります。また、売掛金の金額が小規模なケースも多く、ファクタリング会社側の手間とリスクを考えると、敬遠されがちです。

  1. アミューズメント業界(パチンコ・ゲームセンターなど)

パチンコ店やゲームセンターなどのアミューズメント業界も、審査が厳しくなる傾向があります。業界全体が規制の影響を受けやすく、収益の変動が大きいため、売掛金の安定性に不安があると判断されることが多いです。また、資金繰りが悪化している企業も多いため、ファクタリング会社にとってリスクが高いと見なされる場合があります。

  1. 創業間もない企業・業績不安定な企業

創業して間もない企業は、過去の実績が少なく、取引先との信用関係も確立されていないため、売掛債権の信用力が低く評価されることがあります。また、業績が不安定な企業は売掛先の支払い能力が疑問視されるため、ファクタリング会社は慎重な審査を行います。特に、短期間で売上が急増している場合などは、架空売上の疑いを持たれる可能性もあり、慎重に審査されます。
まとめ

ファクタリングの審査では、売掛債権の信用力が最も重要視されます。そのため、債権の回収リスクが高い業種や、法的な制約が多い業種、経営の安定性が低い業種は、審査が通りにくくなります。ただし、業種によっては専門のファクタリング会社が存在し、それらを利用することで資金調達が可能なケースもあります。自社の状況に合った適切なファクタリング会社を選ぶことが、スムーズな資金調達につながるでしょう。