トラック運送での『労働時間の制限や休息時間の確保』が原因で発注量減少

鹿児島県 運送業 創業13年

合同会社として運送業を始めてからもう10年を超えました。構成は二人、家族経営に近い体制で、互いの信頼が頼りです。主な取引先は大手の運送会社で、地方の拠点から都市部へ向けた長距離輸送を中心に請け負っています。かつては一日でも多く走ることが目的のような日々でした。高速道路を走りながら、無線越しに相方と互いの予定を確認し、どこまで無理が利くかという感覚で動いていました。
ですが、そのようなやり方が通用しなくなっています。運送業界に導入された労働時間の制限や休息時間の厳格な確保が、以前のような無理を下労働をできなくしています。これまで塗りで対応していた区間や時間は、物理的にこなせなくなりました。結果として、以前であれば受けられていた発注が消えています。仕事量の減少。忙しさで埋まっていた時間外のスケジュール全くなりました。

燃料費は高止まり。タイヤやオイルなどの消耗品も値上がりが続いています。維持費の圧迫。車検や整備にかかるコストも、気付けば以前の倍近くにまで膨らんでいました。走れば走るほど利益になる構造から、走るほどに不安が残る構造への転換。頭では理解していますが、気持ちがついてこない場面もあります。

このような中、定期的にファクタリングを利用しています。売掛が入金されるまでの間、現金のやり繰りが必要になるためです。月末の支払いに備え、いくつかの債権を現金化する。本来であれば避けたい手段ですが、必要に迫られての選択。資金繰りを保つための防波堤のようなものです。税理士とも相談しながら、最低限の範囲で利用するように心がけています。
運送業そのものが変わってきていると感じます。スピードよりも安全、効率よりもルール。正しさを守ることが第一に求められるようになり、かつての“職人肌”の感覚だけでは難しくなってきています。それでも、仕事があれば走るという基本に変わりはありません。

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