売上の波が大きいタクシー運転手、ファクタリングはありがたい限りです。

旅客運送負業 群馬県 創業4年

請負のタクシー運転手として契約をして、もう4年になります。当初は、月の売上がまるまる自分の報酬に直結するのが魅力に思えていましたが、実際、その頃、かなり順調に売り上げを上げていました。ところが、ここ2年は波の大きさに翻弄されっぱなしです。
イベントや観光客が増える時期は、稼働さえ増やせばどんどん売上が上がります。朝と夜に基幹駅へ向かうビジネスマンを拾い、日中は市内をぐるぐる回り、夜は飲み帰りの客を狙う。体力勝負ではありますが、がんばった分だけ数字が付いてくるのはやりがいになります。

ただ、問題は閑散期です。2月、6月、そして10月の前半。この時期は決まって売上が落ち込みます。天候が悪ければさらに拍車がかかり、出庫してから2時間、まったく乗せられないことも珍しくありません。
燃料代も上がりっぱなしで、ガソリンスタンドのレシートを見るたびため息が出ます。そんな中で始めたのが、ファクタリングです。会社を通じて売上の一部が確定しているため、月途中でも過去の実績と今月分の進捗をもとに、債権を売ることができます。まとまった金額ではありませんが、赤字ギリギリの月にはその少しが救いになります。

使い方としては、売上が少ない時期だけ限定しています。ファクタリングで得た現金を使って、ガソリン代や食費を確保し、生活を支える。繁忙期に入れば、その月の売上で一気に清算してしまいます。できれば頼りたくないという気持ちはあるのですが、年に何回か、これがなければ完全に持ちこたえられない状況が来るのも事実です。

最初は抵抗もありました。報酬が確定する前にお金を受け取るという仕組みに、不安がないわけではありませんでした。ただ、使ってみると意外と明朗で、申請から着金までが早いのも助かります。特に、手数料が見積もりの段階できちんと提示される点は安心感があります。一度だけ、繁忙期の売上が思ったほど伸びず、清算が月をまたいだことがありました。そのときは焦りましたが、業者の担当者と話をして、支払いスケジュールをずらしてもらうことでなんとか対応できました。結局のところ、正直に話し、計画を立てていれば、大きなトラブルにはなりません。

タクシー業界は今、日々の変化が激しいです。観光客の動き、感染症の影響、社会のリズムの変化。それでも、自分で動きを選べる働き方に魅力を感じています。自由の代わりに不安定さがつきまとう仕事ですが、今の自分には合っているように思います。
ファクタリングは、決して余裕のある人のためのものではありません。ただ、うまく付き合えば、自営業の不安定さを乗り越えるためのひとつの道になります。今も定期的に利用していますが、繁忙期に頼らずやりくりできるよう、売上の中から少しずつ積み立ても始めました。

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