一般的に言われているファクタリングの審査基準を考えると

弊社サービス『中小企業ビジネスサポーターズ』のサービスで行われている審査基準と異なりますが、一般的に利用者の間で言われている審査基準についてまとめてコラムにしてみました。

まず、審査において重視されるのは「利用企業の信用力」です。2社間では、売掛先に通知されないため、売掛債権の実在性や回収可能性をファクタリング会社が自力で確認する必要があります。したがって、申込者自身の信頼性や経営状態が大きく評価されます。

具体的には、まず「業歴」が挙げられます。設立して間もない企業よりも、ある程度の運営実績がある企業の方が審査には通りやすくなります。事業が継続しているという事実そのものが、一定の安定性を示すからです。特に売掛債権の発生が継続的である業態の場合、審査においてプラスに働きます。

次に「信用情報」。税金や社会保険の滞納、金融機関との借入返済状況、代表者個人の信用情報なども確認されます。2社間では、ファクタリング会社が最終的に売掛金を回収できる保証が少ないため、申込企業の支払い能力や信用の高さが重要です。

「資金使途」も確認されるポイントです。仕入れ資金や人件費、設備投資など事業に直結する合理的な理由があると、審査にはプラスに働きます。一方で、ギャンブルや個人的な借金返済といった目的は当然ながらマイナス評価になります。最近では、ファクタリングの利用履歴もチェックされており、繰り返し利用や他社での否決歴があると慎重な審査になります。

そして、審査のもう一つの柱が「売掛債権の内容」です。売掛先が法人かつ継続的な取引先であり、過去に支払い遅延の履歴がないことが望まれます。たとえ利用企業が優良でも、売掛先が小規模だったり財務状況が不安定だったりすれば、ファクタリング会社は慎重になります。売掛金の請求書、納品書、発注書、契約書などの整合性も重視され、形式的な整備が不足していると審査に影響します。

加えて、「債権の発生時期」や「支払期日」も大事な判断材料です。売掛金がすでに発生していて、請求書も発行済みであることが前提になります。納品前やサービス提供前の債権は、未確定と見なされやすく、審査を通過することは困難です。また、支払期日までの残り日数が長すぎる場合も、審査上の懸念になります。目安としては30〜60日以内が望ましいとされています。

ファクタリング会社によっては、審査時に「入金確認用の通帳コピー」や「過去数か月分の取引明細」を求めることもあります。これは、実際に売掛金が定期的に入金されているかどうかを確認するためです。加えて、「複数の売掛先に分散しているか」も確認されるポイントの一つです。1社依存の状態は、取引停止などのリスクが高く見なされるため、審査において不利になることがあります。

さらに注意すべきなのは、「書類不備や虚偽申告」です。2社間ファクタリングは売掛先に連絡しないため、書類の整合性が信用の根拠になります。情報の整合性が取れていなかったり、意図的なごまかしが見られたりすれば、審査落ちだけでなくブラックリスト入りすることもあります。

このように、2社間ファクタリングの審査では、企業の信用、売掛債権の内容、利用目的の3点を中心に細かいチェックが行われます。通常、即日審査・即日入金をうたうサービスもありますが、これらの基本的な条件を満たしていないとスピード審査も実現しません。

まとめとして、2社間ファクタリングの審査に通過しやすくするためには、以下のポイントを意識することが有効です:

  1. 売掛金に関する書類を正確かつ整然と用意する
  2. 税金や社会保険の滞納を避ける
  3. 売掛先との取引履歴や支払実績を明確に示す
  4. 申込時の資金使途を明確に説明する
  5. 虚偽やごまかしのない正直な情報提供を行う

2社間ファクタリングは、売掛先に知られずに資金調達できる点で魅力的ですが、その分、事前準備と信用の積み重ねが成功の鍵となります。単なる資金繰りの手段ではなく、経営改善や成長投資につながるような使い方を意識することが、審査通過の近道になります。

実際に審査の詳細は、担当部署以外の私達でも分かりません。しかし、実際に多くのお客さんとの対応の中で、ここで書いた巷の基準とは明らかに異なる点も多々あります。
買取審査の詳細情報は、その会社の生命線ですので、そう簡単には分からないでしょうね。